新卒で客先常駐なしのIT企業に就職するには?8つの効果的な探し方と見分け方

「新卒で客先常駐なしのIT企業に就職するにはどうすればいい?」

「理想の企業を探す具体的な方法は?客先常駐なしを見分けるポイントも知りたい!」

「IT業界に興味はあるけれど、毎日知らない場所に通う客先常駐は不安…」そんな思いを抱えていませんか?

新卒の就活では、働く環境が自分に合っているかを見極めることがとても大切です。

でも実は、社内開発を中心としたIT企業や、客先常駐なしの職場環境を提供する企業も数多く存在します。

そこで本記事では、新卒で客先常駐なしのIT企業に就職を実現するための具体的な探し方・方法客先常駐なし企業を見極めるポイントを、わかりやすく解説していきます。

【先に結論】記事のポイントと理想のIT企業を効率よく探す方法

  • 自社サービスや社内システムを扱う企業は、社内勤務が中心で常駐の可能性が低い
  • プライムベンダーやユーザー系SIerは、安定した働き方を実現しやすい就職先候補
  • 求人情報や面接で配属先や働き方を具体的に確認することが失敗を防ぐ重要なポイント

新卒で客先常駐なしのIT企業就職を実現するには、企業の特徴を正しく見極め、働く場所に関する情報を徹底的に確認する姿勢が重要です。

希望の働き方に近づくには、求人内容や企業説明会の細かな情報を丁寧に読み取り、実際の勤務スタイルを見極めることが成功のポイントです。

新卒で客先常駐なしのIT企業を探す効果的な8つの方法

IT業界への就職を考える新卒の方にとって、「客先常駐なし」は大きな関心ごとのひとつです。

自社内で働けるIT企業は、安心してキャリアをスタートできる環境が整っており、長く働きたい人に人気です。

ただし、求人票や説明会だけでは働く場所の実態が分かりにくい場合もあります。

ここでは「新卒で客先常駐なしのIT企業を探す効果的な8つの方法」として、見極め方や確認ポイントを具体的に紹介します。

納得のいく企業選びをするためのヒントとして、ひとつずつチェックしていきましょう。

【方法1】自社開発や社内SEに絞って求人を探す

新卒で客先常駐を避けたいと考えているなら、求人を探す段階で「自社開発」や「社内SE」という働き方に絞るのがひとつのコツです。というのも、これらの職種は基本的に自社のオフィスで働くスタイルであり、外部の企業に常駐するような働き方とは大きく異なるからです。

実際に、IT業界では客先常駐を前提としたSES型の企業も多く存在しますが、自社開発を行う企業や、社内のシステムを扱う社内SEの場合は、配属先が変わったり、勤務地が流動的になる心配はほとんどありません。

たとえばレバテックキャリア※によると、自社開発企業では自分のアイデアをサービスに反映しやすく、腰を据えて技術を磨ける点が新卒にも人気の理由となっています。

また、レバテックルーキー※の調査では、社内SE職を志望する学生の多くが「落ち着いた環境で働きたい」「チームとの連携を大事にしたい」といった理由で企業を選んでいる傾向も見られました。現場が頻繁に変わる客先常駐に対して不安を抱く人ほど、こうした職種は向いていると言えます。

だからこそ、「どこで働くか」を重視するなら、求人サイトで「自社サービス」「社内システム」「受託開発なし」などのキーワードを使って検索するのが効果的です。派手なキャッチコピーよりも、仕事内容や勤務地の記載に注目してください。

自分に合った職場で気持ちよく働き始めるためにも、こうした視点を持って企業を選ぶことはとても大切です。最初の就職先が、その後のキャリアにも大きく影響するからこそ、慎重すぎるくらいでちょうどいいのかもしれません。

※レバテックルーキー

【方法2】求人票で勤務地と配属の書き方を必ず確認する

新卒で客先常駐なしのIT企業を探すなら、まず求人票の「勤務地」と「配属先」の表現に目を通すことを強くおすすめします。ここを読むだけで、働く場所のイメージがかなりはっきりします。

というのも、客先常駐が中心の企業では、勤務地が「プロジェクト先による」「首都圏エリア」などあいまいな書き方になりがちだからです。実際、転職サイトでも勤務地が固定されていない求人は常駐型の働き方になるケースが多いと説明されています。

一方で、自社内で働く企業の場合は「本社勤務」「自社オフィス勤務」「東京都□□区」など具体的な住所で示されていることがほとんどです。この違いを知っておくだけで、求人票を見た瞬間に働き方の方向性がだいたい読み取れます。

だからこそ、求人探しを始めた段階で勤務地の表記は必ずチェックしておきたいところです。配属先が明確に書かれた求人を選ぶよう心がけると、客先常駐なしの働き方に近づきやすくなります。

※就活エージェント

【方法3】会社説明会で客先常駐の有無を具体的に質問する

新卒で客先常駐なしのIT企業を選びたいなら、会社説明会で働き方について質問する姿勢がとても大切です。遠慮して聞きそびれると、入社後に「実は常駐が多かった」という事態になりかねません。

実際、説明会の場で初めて“ほとんどが客先常駐”と明かされたという学生の声も見かけます(Yahoo!知恵袋の相談より)。

では、どんな聞き方が良いのでしょうか。たとえば「新卒の場合、社内勤務と客先勤務はどのくらいの割合になりますか?」や「常駐がある場合、期間はどれくらいですか?」といった質問なら、雰囲気を壊さずに本音を引き出しやすくなります。

リクナビNEXTでも、説明会では働く場所に関する質問を積極的にする重要性が紹介されています。

説明会は企業の“実際の働き方”を直接確認できる貴重な場です。人事担当の説明だけで判断せず、自分が重視しているポイントを一つずつ確かめていくことで、客先常駐なしの環境に近づきやすくなります。

納得して企業を選ぶためにも、気になる点は率直に質問しておくと安心です。

【方法4】面接で研修後の配属先や働く場所を確認する

面接では「何を話すか」よりも「何を聞くか」が、その企業で安心して働けるかどうかを見極めるカギになります。特に「客先常駐なし」を希望する場合、研修後の配属先がどうなるのか、働く場所はどこになるのか、明確に確認しておくことが欠かせません。

なぜなら、IT業界の一部企業では、入社時に勤務地が決まっておらず、「研修後にプロジェクトにアサイン」とだけ伝えられるケースが実際にあります。それが実質的な常駐型の働き方に繋がっているという声も、少なくありません。

たとえば、面接で次のように聞くと効果的です。

「研修後はどの部署への配属が想定されていますか?」「初任地は本社勤務でしょうか?それとも客先になる可能性もありますか?」「社外で働く場合、その期間はどれくらいが一般的ですか?」など、曖昧になりがちな部分を、できるだけ具体的に確認しましょう。

企業の担当者も、条件が明確な応募者には真剣に向き合おうとするものです。聞きづらいと感じるかもしれませんが、遠慮せず、自分の働き方への希望をきちんと伝えることが、後悔しない就職につながります。

面接は「選ばれる場」ではなく、「選ぶ場」でもあるという意識で臨んでください。

【方法5】就活エージェントに客先常駐なし希望を伝える

就職活動でIT業界を目指すなら、就活エージェントの活用はかなり心強い味方になります。とはいえ、エージェントに任せきりにしてしまうと、気づかぬうちに「客先常駐あり」の求人を紹介されてしまうこともあります。

なぜかというと、エージェント側も取り扱っている企業数が多く、希望条件を細かく伝えない限り、一般的なIT求人――つまりSES型の常駐案件が候補に入ってきやすいのです。

だからこそ、「自社内開発の企業がいい」「客先に出向くような働き方は希望していない」といった意向は、最初のカウンセリングでしっかり伝えるようにしましょう。

「常駐なし」は遠慮すべき希望ではありません。むしろ正直に言った方が、エージェントにとっても求人を絞りやすくなるのです。

特に、実際に紹介された企業情報に「勤務地:プロジェクトにより異なる」といった文言があれば注意が必要です。少しでも不安を感じたら、「これは常駐案件の可能性がありますか?」と確認してみてください。

経験豊富なエージェントなら、正確に教えてくれるはずです。

大切なのは、最初から明確な希望を伝え、ぶれずにそれを貫くこと。新卒での就職活動では、「何をやりたいか」も大事ですが、「どんな働き方をしたいか」を意識することも同じくらい重要です。

自分に合った環境を探すために、エージェントともう一歩踏み込んだ会話をしてみてください。希望通りの職場にたどり着ける可能性がぐっと高まります。

【方法6】口コミサイトで働く場所の実態を調べる

新卒で客先常駐なしのIT企業を選ぶなら、実際に働いていた人の声を集めることが近道になります。求人票や説明会では聞こえてこない事情が、口コミサイトを見ていると意外なほど見えてきます。

実際、OpenWorkのようなサイトでは、書き込みに職種や在籍時期が添えられており、部署ごとに雰囲気や働き方が違うことも読み取れます。

投稿をチェックするときは、数字や具体例を挙げているか、同じ内容を指摘する声が複数あるか、投稿された時期はいつか、といった点を軽く意識しておくと精度が上がります。

たとえば「勤務先が頻繁に変わる」「社内勤務が中心」といったコメントが続くなら、働く場所の傾向がだいぶ見えてきます。

口コミで得た情報は、面接や説明会で確認したい質問を組み立てる材料にもなります。働き方の実態を事前に知っておくと、不安が薄れ、客先常駐なしの企業にたどり着く確率がぐっと高まります。

【方法7】OB OG訪問で配属や働き方のリアルを聞く

新卒で「客先常駐なし」のIT企業を選びたいなら、OB OG訪問は欠かせない手段のひとつです。というのも、企業の公式説明では分からない働き方の実態を、実際にその会社で働いた人から直接聞けるからです。

訪問の際は、遠慮せずに気になる点を丁寧に質問してみてください。たとえば、「新卒の配属は社内勤務が中心になっているのか」「客先に出る場合はどれくらいの期間なのか」「配属先は希望が反映されるのか」といった具体的な聞き方が役立ちます。

こうした内容は面接では切り出しにくいテーマでもあり、OB OG訪問だからこそ自然に答えてもらえることが多いといわれています。

事前に質問を整理しておくと、時間を無駄にせず本音を引き出しやすくなります。実際の働き方を知ることで、企業説明や求人票だけでは見えなかった「働く場所のイメージ」がつかめ、客先常駐なしの企業を選ぶ際の判断材料がぐっと増えます。

【方法8】インターンや職場見学で社内の働き方を見る

新卒で客先常駐なしのIT企業を探しているなら、一度は「インターン」や「職場見学」に足を運んでおくべきです。理由は簡単で、どれだけ求人票が良くても、実際の職場の雰囲気や働き方は、現場を見てみないとわからないからです。

たとえば、社内開発を謳っている企業でも、実は業務の多くが外部との折衝や常駐に近い働き方で進んでいるケースがあります。一方で、社員が自社オフィスで腰を据えて開発を進めている姿を見れば、「ああ、ここなら落ち着いて成長できそうだ」と肌で感じられるでしょう。

参加するなら、開発業務に触れられるインターンや、エンジニアと実際に会話できる見学の機会を選ぶのがベストです。単なる会社説明会とは違い、社員同士のやり取りや空気感がリアルに伝わってきます。

現場の空気を知るというのは、就活における「最大の情報収集」だといっても過言ではありません。納得のいく企業選びをするためにも、インターンや職場見学は積極的に活用しておきましょう。

現場で感じたことこそが、あなたの判断を後押ししてくれるはずです。

新卒で客先常駐なしのIT系の仕事を選ぶなら!おすすめ職種5選

新卒で「客先常駐なし」の働き方を希望するなら、就職後の業務内容や勤務地が明確な職種を選ぶことが重要です。

特に自社開発や社内で完結する業務は、安定した勤務環境が期待できます。

ここでは「新卒で客先常駐なしのIT系の仕事を選ぶならおすすめ職種5選」として、安心してスタートを切りやすい職種を紹介します。

どんな仕事が適しているのか、具体的に見ていきましょう。

社内SE

新卒で客先常駐を避けたいと考えるなら、社内SEは非常に相性の良い選択肢です。というのも、社内SEは自社のIT環境を整えたり、業務システムの管理や改善に関わったりする仕事で、基本的に勤務先は“自社内”に限られます。

例えば、大手企業では業務効率化のためのシステム導入やセキュリティ対策の強化などを、現場の社員と相談しながら進めていくのが主な役割です。派手さはないかもしれませんが、腰を据えて長く働きたい人にはぴったりの職種です。

実際、求人サイトを見ても社内SEのポジションは「本社勤務」「転勤なし」と明記されていることが多く、客先常駐型のエンジニア職とは明らかに働き方が違います。開発そのものよりも、社内の困りごとをITの力で解決していく仕事にやりがいを感じるタイプの人にはとても向いています。

安定した職場で成長しながら、じっくりとスキルを磨いていきたい。そんな願いを持つ新卒の方にとって、社内SEという選択は理想に近い働き方のひとつと言えるでしょう。

※社内SEの求人を探すなら「レバテックルーキー」

インフラエンジニア

IT業界の中でも、落ち着いた環境で腰を据えて働きたい新卒に向いているのがインフラエンジニアです。

というのも、この仕事は社内のサーバーやネットワークの構築、運用、保守といった“裏側の支え役”を担うポジションであり、企業の中からシステムを支える仕事だからです。

もちろんすべての求人が該当するわけではありませんが、自社サービスを持つ企業や、事業会社の情報システム部門などでは、インフラエンジニアが社内に常駐して働くケースが多いのが現状です。

現場の声や求人票でも「構築・運用は自社内で完結」と明記されている場合は、常駐の心配が少ないと考えてよいでしょう。

特に「社内インフラの安定運用」「社内SEと連携しながら改善」などのキーワードが出てくる求人に注目すると、希望する働き方にぐっと近づきます。

新卒で“客先に振り回されない仕事”を探しているなら、インフラエンジニアは十分候補に入れるべき職種です。

※ネットビジョンアカデミー

自社サービスのWebエンジニア

新卒で「客先に出ずに、腰を据えて働きたい」と思っているなら、自社サービスを展開している企業のWebエンジニアは、かなり現実的な選択肢です。

というのも、そういった会社では、開発も運用も社内で完結するため、勤務場所が基本的にオフィス内に限定されているケースが多いんです。

たとえば実際に、求人サイトで「Webエンジニア 自社サービス」と検索してみると、「100%自社内勤務」「客先常駐なし」「自社サービスの開発に携わる」などの文言が並んでいます。

こうした求人は、社内で完結するチーム体制を取っているため、配属先で環境が大きく変わることもありません。

しかも、自社サービスだからこそ、自分が作ったものが「誰にどう使われているか」が見えやすく、ユーザーの反応をダイレクトに感じながら改善につなげていける。単なる“作業者”ではなく、“事業の一員”としての実感が得られるのも、魅力だと思います。

働く環境としても、無理な常駐や現場移動が発生しにくく、長期的に腰を据えてスキルを磨きたい人にとっては、まさにうってつけです。

新卒で「客先常駐なしのIT企業」を重視するなら、自社開発を行うWeb系企業の求人に注目してみてください。自分のペースで成長していきたい人に、きっとフィットするはずです。

※IT専門の就活エージェント

アプリ開発エンジニア(自社開発)

「自社でアプリを開発している企業に入社したい」と考える新卒の方には、アプリ開発エンジニアという選択肢が非常におすすめです。

というのも、この職種は自社オフィス内で完結する開発が中心で、客先に常駐する働き方とはまったく異なるからです。

たとえば、自社サービスのスマホアプリやWebアプリを開発している企業では、企画から設計・実装・テスト、そしてリリース後の改善まで、すべてを自社内のチームで進めていきます。

もちろん、エンジニアは利用者の声や数字をもとに「どうすればもっと便利にできるか?」を考え、実際に反映させる役割も担います。その分、開発の一部だけを担当するよりも達成感や責任感はずっと大きくなります。

さらに、自社開発の現場は職種を超えたコミュニケーションが活発なことが多く、エンジニアとしての視野も自然と広がっていきます。こうした環境は、技術力だけでなく、柔軟な発想やチーム力を育む土台にもなります。

つまり「腰を据えてじっくりサービスを育てたい」「日々の業務を通じて自分自身も成長していきたい」という思いを持っているなら、自社開発アプリに携わるエンジニアという道は、あなたの理想にしっかり応えてくれるはずです。

ITサポート担当

「客先常駐は避けたい」――そう考える新卒の方にとって、ITサポート担当という選択肢は見逃せません。

とくに社内向けのサポート業務であれば、働く場所は基本的に自社のオフィス。社員からの問い合わせに対応したり、PCやシステムのトラブルを解決したりと、会社のIT環境を裏側から支える重要な役割を担います。

例えば、情報システム部門に所属するポジションであれば、社内のIT機器やネットワーク環境の整備、ソフトウェアのアカウント管理など、日々の業務は多岐にわたります。それでも勤務先が変わる心配がほとんどないため、落ち着いた職場でスキルを磨きたい方にはぴったりです。

ただし注意したいのは、求人によっては「ヘルプデスク」と書かれていても、実際には客先への対応が含まれるケースがあること。

勤務地が「あらかじめ決まっている」かどうか、また「サポート対象は自社社員か外部顧客か」など、募集要項の細かい文言をよく読み込むことが欠かせません。

安心して働ける環境を求めるなら、社内ITサポート職は非常に現実的で堅実な選択肢です。条件さえしっかり確認すれば、客先常駐のないキャリアの第一歩として、十分に検討する価値があります。

新卒向けに客先常駐が多いIT企業・SIerとの見分け方5選

新卒で「客先常駐なしIT企業就職」を目指す場合、最初に意識すべきなのは、客先常駐の多いIT企業やSIerを正しく見分けることです。

求人票や企業説明でははっきりと明示されないケースも多く、見落とすと理想と異なる働き方になりかねません。

そこで「新卒向けに客先常駐が多いIT企業・SIerとの見分け方5選」を厳選して紹介します。

新卒の方で、企業選びに迷った際の判断基準として参考にしてみてください。

【見分け方1】事業内容に客先での支援が中心と書かれている

新卒で *it 客先常駐なし* の働き方を目指すなら、まず企業の「事業内容」を丁寧に読む習慣をつけたほうがいいです。

というのも、企業紹介の文章に「SES」「エンジニア派遣」「クライアント先での技術支援」といった言葉が並んでいる場合、働く場所が自社ではなく客先になるケースが多いと説明されているためです。

たとえば「多様なプロジェクトに参画」といった曖昧な表現が目立つ企業は、配属先が都度変わる前提で動いていることが少なくありません。一方で、自社サービスや自社製品の開発を事業の中心に掲げている企業は、社内で腰を据えて働くスタイルが多いと○○にて紹介されています。※

事業内容に書かれた言葉を丁寧に拾っていくだけでも、客先常駐が中心かどうかは意外と分かります。就活の早い段階で見極められるポイントなので、最初にチェックしておくと安心です。

【見分け方2】求人の勤務地がプロジェクトによると書かれている

IT業界の求人を見ていると、「勤務地:プロジェクトにより異なる」といった一文に出会うことがあります。いかにも曖昧な表現ですが、実はここに大事なヒントが隠れています。こうした文言が使われている企業は、客先常駐を前提とした働き方をしている場合が多いのです。

というのも、社内ではなく取引先の企業で働く前提のスタイルでは、どの案件にアサインされるかで勤務地が変わります。だからこそ、あらかじめ場所を断定できず「プロジェクト次第」としか書けないのです。

たとえば「首都圏各地」「関東一円」などの表記も同様で、実際の勤務先は入社後にわかることがほとんどです。

一方で、客先常駐なしのIT企業では、「勤務地:自社オフィス(東京都◯◯区)」など、具体的な住所が明記されているのが普通です。もし希望が「自社内で働きたい」「勤務地が変わるのは避けたい」というものであれば、この違いを見逃さないことが大切です。

【見分け方3】勤務地が首都圏など広くて働く場所がはっきりしない

もし求人票に「勤務地:首都圏全域」「都内各所」「プロジェクト先による」などと書かれていたら、少し慎重になるべきです。こういった表現が使われている会社は、配属先がクライアント企業になる可能性が高く、つまり客先常駐の働き方を前提としているケースが多いからです。

もちろんすべての会社がそうとは限りませんが、勤務地があいまいな求人は、実際にどこで働くのか入社してみないとわからないリスクがあります。特に新卒で入社する立場からすると、日々の通勤や働く環境はとても大切です。

「自社勤務」「本社勤務」など、働く場所が明確に示されている求人のほうが安心材料になります。迷ったときは、企業説明会や面接で「実際の勤務地」や「配属の決め方」について、しっかり質問しておくとミスマッチを防げます。

【見分け方4】配属先や常駐の割合が求人で明確に示されていない

就活中にIT企業の求人票を見るとき、「配属先がどこなのか」「常駐なのか社内勤務なのか」がぼんやりとしか書かれていない求人には注意が必要です。

というのも、客先常駐の多い会社では、プロジェクトの内容次第で勤務地が変わるため、あえて詳細を曖昧にしているケースがあるからです。

たとえば「勤務地:都内クライアント先」や「配属はプロジェクトにより決定」といった書き方。これでは実際にどこで働くのかがわかりませんし、配属先も入社後にならないと確定しないことが多いのです。

もちろん、企業によって事情はさまざまですが、「新卒で客先常駐なしのIT企業」を目指すなら、働く場所が明確に書かれている求人を選ぶのが第一歩です。可能であれば、面接時に「初期配属はどこか」「常駐の割合はどのくらいか」といった具体的な質問をしてみてください。

曖昧な返答が続くようなら、その企業のスタンスを慎重に見極めるべきです。

【見分け方5】自社サービスや自社製品の説明がほとんどない

企業選びの際に見落としがちですが、「自社サービス」や「自社製品」に関する説明が求人にほとんど書かれていない場合、その会社は客先常駐の可能性が高いかもしれません。

なぜなら、自社で開発しているサービスがある会社であれば、自然とその内容に触れたくなるものです。実際、多くの企業が採用ページで自慢のプロダクトや、どんな技術を使っているかを詳しく紹介しています。

逆に「幅広い業種の案件に携われます」「多様なプロジェクトが経験できます」といった表現ばかりで、具体的な開発内容やサービス名が出てこない場合は要注意。

それはつまり、自社で何かを作っているわけではなく、外部のクライアント先で作業するケースが多いということを暗に示している場合があります。

もし「客先常駐なし」でIT企業を探しているなら、求人情報にしっかりと自社サービスの記載があるかをまずチェックしましょう。そして、面接の際に「実際に働く場所はどこなのか」「配属先はどんなチームになるのか」などを丁寧に確認しておくことをおすすめします。

就職後に「思っていたのと違った」とならないために、自分の目で、耳で、確かめる姿勢が大切です。

【参考情報】新卒の就職先として人気の客先常駐なしのIT企業やSIerを紹介

新卒で客先常駐なしのIT企業に就職したい場合、「どの企業が安心なのか?」と具体的な企業名や特徴を知りたい方も多いはずです。

そこで参考情報として、働く場所が自社内に限定されている人気のIT企業やSIerを紹介します。

実際に自社サービスを開発している会社や、プライム案件を持つSIerは、社内勤務の割合が高い傾向にあります。

次からIT業界の中でも業態別に詳しく見ていきましょう。

自社でサービスの開発・運営を行うIT企業

新卒で「客先常駐なし」の働き方を目指すなら、自社サービスを持つIT企業は比較的社内勤務が安定しやすく、候補として外せません。

具体的には以下のようなIT企業が挙げられます。

自社でサービスの開発・運営を行うIT企業 会社概要
楽天グループ ECの楽天市場を中心に金融・旅行・通信など多角的な自社サービスを展開し、生活インフラを担う国内最大級のインターネット企業
LINEヤフー LINEやYahoo! JAPANなど国内屈指の利用者規模を持つ自社サービスを多数運営し、コミュニケーションから検索まで幅広い領域をカバーする企業
メルカリ CtoCフリマアプリを中心に国内トップクラスのシェアを持ち、シンプルな取引体験を軸にサービス改善を続けるプロダクトドリブン企業
サイバーエージェント AmebaやABEMAなどの自社メディアを運営し、広告事業とも連携しながら独自のデジタルサービスを生み出すインターネット企業
DeNA ゲーム・ライブ配信・スポーツなど多領域に自社サービスを展開し、エンタメを中心に幅広いデジタル事業を推進するIT企業
GMOインターネット ドメイン・サーバーなどインターネット基盤を支える自社サービスを提供し、個人向けから法人向けまで幅広い事業を運営する企業
マネーフォワード 家計管理アプリや会計クラウドなど金融・会計系SaaSを中心に、自社開発サービスで企業と個人の業務効率化を支援する企業
freee クラウド会計や労務管理などバックオフィス支援SaaSを展開し、中小企業の経営インフラを支えるプロダクトを提供する企業
Sansan 営業DXツールのSansanや名刺アプリEightなど、働き方を変える自社サービスを複数運営するBtoB中心のクラウド企業
SmartHR 人事労務クラウドを中心に労務手続きと情報管理の効率化を支援し、企業の働き方改革を後押しする急成長SaaS企業

自社開発の会社は、自分たちが育ててきたサービスを企画から改修、運用まで継続して担当するため、働く場所が社内に固定されやすいからです。

実際、求人や企業サイトにサービス名や利用者数、改善プロジェクトなどが詳しく記載されている企業ほど、社内で腰を据えて働く環境が整っています。

反対に、事業内容の説明が「幅広い業務に参画」など大まかな表現しかない場合は、常駐型の働き方を含んでいるケースもあります。そのような企業では、面接で常駐の割合や社内開発チームの人数などを確認しておくと、入社後のギャップを防げます。

自社サービスを軸にした企業を中心に探すと、自分の希望に近い働き方が見つけやすくなります。

プライムベンダーと呼ばれるSIer企業

新卒で客先常駐なしの働き方を望むなら、「プライムベンダー」というキーワードに注目してみてください。これは顧客企業から直接仕事を受注している、いわゆる一次請けのSIer(システムインテグレーター)を指します。

なぜこれが重要なのかというと、プライムベンダーはプロジェクト全体の管理や設計に関わることが多く、要件定義や上流工程を社内で進めるケースが比較的多いからです※。

つまり、業務の中枢に近いため、社内勤務の割合も自然と高くなります。具体的な「プライムベンダーと呼ばれるSIer企業」に該当する会社は以下の通り。

プライムベンダーと呼ばれるSIer企業 会社概要
NTTデータ 官公庁・金融・法人領域で一次請けとして大規模システムを主導し、国内最大規模のSI事業を展開する総合IT企業
野村総合研究所(NRI) コンサル機能とITソリューションを融合し、金融・流通などで上流工程を担う日本有数のプライムIT企業
SCSK 住友商事グループの総合IT企業として、マルチベンダー体制で幅広い業界の基幹システム構築を一次請けで提供するSIer
TIS 金融・決済・産業領域を中心に大規模システムを手掛け、独立系として強い上流工程力を持つ大手プライムSIer
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) 商社系SIerとして多様な製品を組み合わせた最適提案を強みに、基幹システムやインフラ構築を大規模案件中心に行う企業
BIPROGY(旧 日本ユニシス) 金融・流通・公共分野での高い実績を背景に、顧客と直接契約する形で大規模システム開発を行うSIer
日鉄ソリューションズ(NSSOL) 製造・社会インフラ領域に強みを持ち、親会社の技術基盤を活かした一次請けの大規模プロジェクトを推進するSIer
日立システムズ 社会インフラ・公共・企業向けに幅広いソリューションを展開し、日立グループの中核として上流工程を担うSIer
日立ソリューションズ 製造・流通・公共など多業種に向けたITサービスを提供し、グループの技術力を背景に大規模案件を主導するSIer
NECソリューションイノベータ 官公庁・企業向けの国家規模システムを多く担当し、NECグループの中核として上流から開発までを担う大手SIer

もちろんすべてが自社内完結というわけではありませんが、「自社内開発」や「社内チーム体制」といった表現が求人票にあれば、客先に出向く可能性は低いと見て良いでしょう。

具体的には、メーカー系やユーザー系のSIer、大手独立系企業などがこのタイプに該当します。たとえば日立製作所グループや富士通グループなどが挙げられ、上流工程を自社で担う姿勢が強い企業が多いのが特徴です。

面接の場では、「配属後の勤務地はどこになりますか?」「新卒社員の客先常駐率はどのくらいですか?」といった質問を丁寧にしてみてください。曖昧な答えではなく、明確な数値や事例で説明してくれる企業なら、信頼できる判断材料になります。

独立系ではなくユーザー系のSIer企業

客先常駐の働き方に不安があるなら、ユーザー系SIerを視野に入れると安心です。実際の「ユーザー系のSIer企業」に該当する企業は以下の通り。

独立系ではなくユーザー系のSIer企業 会社概要
トヨタシステムズ トヨタ自動車グループの基幹システムやモビリティ領域を支えるIT中核企業として安定した事業基盤を持つ会社
SCSK 住友商事グループを母体に持ち、幅広い業界のシステム開発・運用を手がける大手ユーザー系SIer
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) 伊藤忠商事グループの技術力を背景に、インフラからアプリ開発まで総合的なITサービスを展開する企業
三井情報(MKI) 三井物産グループのネットワーク・クラウド領域を中心に高度なITソリューションを提供する技術系SIer
日鉄ソリューションズ(NSSOL) 日本製鉄グループの製造ノウハウを基盤に、基幹システムやデジタル活用を支える大手IT企業
JR東日本情報システム(JEIS) 鉄道運行や駅・サービス領域のIT基盤を担い、JR東日本グループの事業を支えるシステム開発企業
ニッセイ情報テクノロジー 日本生命グループの保険業務システムを中心に、安定した内製開発体制を持つユーザー系IT企業
MS&ADシステムズ MS&ADグループの損保・生保領域を支える基幹システム開発を担う堅実な情報システム会社
住友生命情報システム 住友生命グループの保険事業を支えるシステム開発・運用を中心としたユーザー系IT企業
東京海上日動システムズ 東京海上グループの保険ビジネスを支える基幹システム・デジタル基盤の構築を担うIT専門企業

たとえば、MS&ADシステムズやニッセイ情報テクノロジーなど、大手企業の情報システム部門が分社化した会社では、親会社向けのシステム開発が中心で、社内業務に腰を据えて取り組める環境が整っています。

もちろん常に自社内勤務とは限りませんが、開発体制が安定しているケースが多く、客先へ頻繁に出向くことは少ないとされています。実際に「社員の大半が親会社の案件に関わっている」といった口コミも多く見られました。

求人を探す際には、企業名に「○○情報システム」や「○○ITソリューションズ」などが含まれていることが多いため、見つけやすいのも特徴です。また、面接で配属部署や勤務地を具体的に確認すれば、さらに安心して選べるはずです。

【Q&A】新卒で客先常駐なしのIT企業に就職する方法に関するよくある質問

最後に新卒で客先常駐なしのIT企業に就職する方法に関するよくある質問をまとめました。

IT業界の実態や企業選びのポイントについて、就活生が抱きやすい悩みに答える形でわかりやすく解説します。

【質問1】IT業界は客先常駐ばかりですか?

「IT業界って、結局どこに入っても客先常駐なんじゃないの?」という声をよく耳にします。

でも実際はそうとは限りません。もちろん、客先での業務がメインの会社もありますが、自社でサービスを開発したり、社内システムを守る仕事もたくさんあります。大切なのは、業種よりも“働き方”に注目すること。新卒であれば、社内で経験を積ませる体制を整えている企業も見つかります。「IT=常駐」というイメージだけで諦めるのはもったいないです。

【質問2】新卒で入ってはいけないIT企業は?

入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、求人情報の読み方が鍵になります。

特に注意したいのが、「研修充実」や「配属は希望を考慮」など、曖昧な言い回しが並んでいる企業。具体的な研修期間やカリキュラム、配属部署の実績などが示されていないなら、一歩立ち止まって考えた方がいいかもしれません。新卒にとって最初の職場選びは、今後のキャリアを大きく左右します。しっかり情報を集めたうえで判断することが、何よりも大事です。

【質問3】客先常駐が嫌な理由は何ですか?

「客先常駐って、なんか嫌だな…」そう感じる理由は人それぞれ。でも多くの人に共通しているのは、「自分の会社にいる実感がない」ところです。

行く先々でルールや人間関係が変わるうえに、本社とのつながりが薄くなることも。相談相手がいない、キャリアの方向性が見えない…そんな孤独感を抱える人も少なくありません。

だからこそ、新卒で安定した環境を求めるなら、なるべく自社内で働ける職場を選ぶことが大切です。

【質問4】IT業界の客先常駐はどのくらいの割合?

IT企業全体の中で、客先常駐に関わっている企業はかなり多いです。実際、労働組合の調査では、社員の一部でも常駐している企業は約8割にのぼります※。

ただし、それが「社員のほとんどが常駐している」ことを意味するわけではありません。中には1~2割しか常駐していない会社もあるし、逆に9割以上が常駐しているケースもあります。大事なのは、“その会社の中でどのくらいの割合で常駐しているか”をしっかり確認すること。説明会や面接で、率直に聞いてみましょう。

【質問5】未経験でも客先常駐なしのIT企業に入れる?

未経験の新卒だからといって、客先常駐を避けられないわけではありません。むしろ最近は、「新卒は社内でじっくり育てたい」と考える企業も増えています。

とくに自社サービスを持つ企業や社内SEのポジションでは、経験ゼロから丁寧に教えてくれる研修制度が整っていることも珍しくありません。求人情報の中に「入社後の育成方針」や「配属の流れ」が明確に書かれている企業を選ぶと、不安なく一歩を踏み出せます。

【質問6】「IT業界は客先常駐しかない」に対する知恵袋の意見は?

知恵袋には、「IT業界=客先常駐」と信じて疑わない声もあれば、「ちゃんと探せば違う道もあるよ」という前向きな意見も見られます。

結局のところ、発言している人の立場や経験に左右されやすいのがこの手の掲示板。実際に自社開発企業で働いている人は、客先常駐の現場を知らないかもしれないし、反対にSIer出身の人はそれが当たり前だと感じることもあります。新卒の就活では、匿名の意見に振り回されるより、企業の説明会や社員の話に耳を傾けることの方が、よほど確かな情報源になります。

まとめ:新卒で客先常駐なしのIT企業に就職する方法と見分け方

新卒で客先常駐なしのIT企業に就職する方法と見分け方をまとめてきました。

改めて、新卒で客先常駐なしのIT企業を探す効果的な8つの方法をまとめると、

新卒で客先常駐なしのIT企業を探す効果的な8つの方法

  • 自社開発や社内SEに絞って求人を探す
  • 求人票で勤務地と配属の書き方を必ず確認する
  • 会社説明会で客先常駐の有無を具体的に質問する
  • 面接で研修後の配属先や働く場所を確認する
  • 就活エージェントに客先常駐なし希望を伝える
  • 口コミサイトで働く場所の実態を調べる
  • OB OG訪問で配属や働き方のリアルを聞く
  • インターンや職場見学で社内の働き方を見る

そして、新卒で客先常駐なしのIT企業に就職するための重要ポイントもまとめると、

新卒で客先常駐なしのIT企業に就職するための重要ポイント

  • 「自社サービスを持つIT企業」は、社内勤務が中心で客先常駐の可能性が低い
  • 「プライムベンダーのSIer企業」は顧客との直接契約が多く、社内業務比率が高い傾向にある
  • 「ユーザー系SIer企業」はグループ会社内のシステム開発が主で、働く場所が安定している
  • 求人票には「本社勤務」「自社開発」と記載があるかを必ず確認することが大切
  • 面接では配属先や常駐の有無、社内勤務の割合を具体的に質問しておくと安心

客先常駐なしのIT企業で働きたい新卒にとって、企業選びの精度が将来の働きやすさを左右します。

求人の書き方や説明会で得られる情報を丁寧に確認し、社内勤務の割合が高い企業を見極めることで、安心して働ける環境に近づきます。