【体験談】SIerの何が楽しい?5つの魅力と向いている人の特徴【悩みの対処法も紹介】

「SIerの何が楽しい?このまま仕事を続けるイメージが持てない..」

「SIerの仕事が楽しくないと感じたらどうすればいい?具体的な対処法はある?」

「このままSIerを続けていていいのだろうか…」と、ふと不安になることはありませんか?

毎日の業務に追われ、やりがいや成長を感じられないと「SIerの仕事は楽しい」と素直に思えない方も少なくありません。

しかし、SIerの仕事にもやりがいや魅力は確かに存在します。

大切なのは、自分に合った環境ややりがいを見つけて、仕事をもっと充実したものへと変えていくことです。

そこで本記事では、SIerの仕事が楽しいと感じられるポイントや、つまらないときの対処法、そしてキャリアの広げ方まで、実体験も踏まえてわかりやすく解説します。

【要点】記事のポイントと悩みの解決策

  • 大規模プロジェクトや社会貢献を通じて達成感が得られる
  • チームで困難を乗り越える経験が一体感とやりがいにつながる
  • 副業や転職など新しい挑戦で楽しさと成長を実感できる

「SIerは楽しい」と感じるには、日々の仕事に目的を見いだすことが大切です。

プロジェクトの規模や仲間との協力、さらに外部での挑戦を取り入れることで、SIerとしての働き方がもっと充実したものになります。

【先に結論】SIerの何が楽しい?

SIerの仕事で「これが楽しい」と感じる瞬間は、人によってさまざまですが、共通して多く挙がるのは、「自分の関わったシステムが社会の一部として動いている」と実感できるところです。

日々の業務の中で、その手ごたえを感じられる場面が少なくないのが、この職種の魅力だといえます。

たとえば、住民票を発行する自治体のシステムや、数百万人が利用するネットバンキングの基盤など、SIerが関わるプロジェクトの多くはスケールが大きく、社会インフラの一部を担うものが中心です。

個人的には、彼女に「これ、うちの会社が作った仕組みなんだよ」と話したときに、初めて自分の仕事に誇りを持てました。

また、仕事を通じて直接ユーザーの声を聞く機会もあり、「本当に助かりました」と感謝される場面もあります。そんなとき、自分のスキルが誰かの役に立ったことを強く実感し、やりがいを感じるという声が多く聞かれます。

もちろん、大規模案件の調整は簡単ではありません。複数の部署との打ち合わせや、仕様変更への対応に追われることもありますが、それらを乗り越えた先にある達成感は、ひときわ大きいものです。

人と関わりながら、一緒にものづくりをしていく楽しさ──それがSIerの仕事の醍醐味だと、多くの現場の声が語っています。

【体験談】SIerが楽しいと感じる5つの魅力

SIerの仕事は単調でつまらないと思われがちですが、実際にはやりがいや喜びを感じられる場面も多くあります。

とくに現場で働くエンジニアたちから聞こえてくる「SIerが楽しい」と語る声には、日々の業務を通して得られる成長や達成感、人とのつながりといった魅力が詰まっています。

この「SIerが楽しいと感じる5つの魅力」では、筆者の体験談に加えて実際にSIerで働くITエンジニアが仕事を通して感じた“楽しい”と感じる瞬間について紹介します。

働くモチベーションを見つけたい方にとって、共感や気づきのある内容になるはずです。ぜひ今後のキャリア選択の参考にしてみてください。

【魅力1】大きなプロジェクトに参加して社会を支えている実感がある

SIerの仕事が楽しいと感じられる理由の一つは、「自分の仕事が社会を動かしている」とはっきり実感できる点です。

たとえば、全国の銀行ネットワークを支える基幹システムの開発、自治体向けの福祉システム構築、あるいは交通インフラの自動化プロジェクトなど、SIerが関わる業務の多くは社会全体に大きな影響を与える領域にあります。特定の業界に閉じた仕事ではなく、私たちの生活そのものを支える土台をつくっているという実感は、日々のやりがいにも直結します。

実際、顔認証を使った空港の出入国システムや、地方銀行の共同システム化など、国内の大手SIerが手がけた事例を見ると、そのスケールの大きさに圧倒されます。個人の成果がすぐに目に見えるわけではないものの、何百万人が使う仕組みに関わっているという誇りは、他の業種ではなかなか得られません。

「自分の仕事が直接、誰かの役に立っている」──そんな感覚が、SIerの現場には確かに存在します。それがあるからこそ、目の前のタスクがどんなに地味でも、粘り強く取り組めるのだと思います。

社会の裏側を支える一員として働くことが、自分のモチベーションになる──これこそ、SIerで働く楽しさの本質です。

【魅力2】多くの人が使う仕組みづくりに参加でき家族にも誇れる

多くの利用者が触れるシステムづくりに関われる点は、SIerの仕事で胸を張れる部分のひとつです。手がけた仕組みが毎日の生活を支えていると思えると、家族に仕事の話をする時も自然と熱がこもります。

こう感じるのは、SIerが担当する案件の多くが銀行の取引サービスや行政手続きのオンライン化など、社会の土台に近い分野だからです。実際、銀行システムのように「もし止まったら生活が回らない」レベルの大規模案件を扱う機会も少なくありません。

例えば、金融システムに携わっているエンジニアの中には、「自分が作った機能を毎日何百万人もの人が使っている」と実感した瞬間に、仕事の意味が一気に腑に落ちたという声があります。家族に話した時も「そんな仕組みに関わっていたの?」と驚かれ、その反応が励みになることもあります。

多くの人の生活の裏側で働く仕組みづくりに参加できるのは、SIerならではの醍醐味ですし、“SIerは楽しい”と感じる場面として強く印象に残るポイントです。

【魅力3】お客様から直接感謝の言葉をもらえた瞬間がうれしい

SIerの仕事を続けていると、「この仕事を選んで良かったな」としみじみ感じる場面があります。なかでも心に残りやすいのが、お客様がこちらの顔を見てまっすぐ「ありがとう」と伝えてくれる瞬間です。単に作業をこなすだけでは味わえない、特別な手ごたえがあります。

というのも、SIerの仕事はトラブル対応やシステム改善のように、困っている相手の“すぐそば”に寄り添う場面が多いからです。

たとえば、現場で急な障害に対処し、動かなくなった業務が復旧したとき。担当の方がほっとした表情で「本当に助かった」と口にしてくれる。そんなエピソードは珍しくありません。実際、現地対応のあとに「来てくれて良かった」と感謝を伝えられたという事例も紹介されています。

こうした出来事は派手ではないものの、日々の悩みを解消できたという実感につながり、仕事への向き合い方にも温かい影響を与えます。だからこそ、SIerとして働く多くのエンジニアが「お客様からの一言が一番の励みになる」と語るのです。

【魅力4】チームみんなでトラブルを乗り越えたときの一体感が楽しい

SIerの現場で働いていると、想定外のトラブルに直面することは避けられません。ただ、そうした状況でチーム全員が同じ方向を向き、目の前の課題を片づけていく時間には、不思議と前向きな気持ちが生まれます。

目標を共有し、助け合いながら作業を進めることで、“自分は仲間の一員なんだ”という実感が湧いてくるからです。エンジニアの働き方を紹介するサイトでも、チームの結束が成果を左右すると語られており、協力関係が整ったプロジェクトほど一体感が強くなると指摘されています。

思い返すと、ある案件では急な仕様変更が入り、設計の見直しからテスト環境の作り直しまで一気にやらなければならない場面がありました。誰に促されるでもなくメンバーが集まり、自然と「どう回せば間に合うか」という話が始まり、気付けば全員が黙々と役割を分担して作業を進めていました。

無事に納期に間に合い、お客様からも良い評価をいただけたとき、チームの空気は少し誇らしさを帯びていました。あの高揚感は、一人で仕事をしていたら味わえなかったと思います。

SIerの仕事で“楽しい”と感じる人が多い理由には、目の前の困難を仲間と一緒に越えていく過程で生まれる連帯感があります。プロジェクトが終わったあとにも残る、あの独特の達成感こそが、この仕事を続けたくなる大きな支えになっています。

【魅力5】経験を重ねるほど任される範囲が増え成長を実感しやすい

SIerの仕事には、やればやるほど面白くなってくる“深み”があります。最初のうちは先輩のサポート役で右も左もわからない状況だったとしても、数年たつ頃には「あの案件、リーダー任せるね」と声がかかるようになります。

これは珍しい話ではなく、多くのエンジニアがたどる自然な流れです。

実際、現場では3年目・5年目といった節目ごとに任される役割が明確に広がっていくことが多く、設計から運用までを一貫して担当するようになると、自分のスキルの幅が一気に広がった実感が湧いてきます。「あのとき何もできなかった自分が、今はお客様に提案できている」──その変化がはっきりわかるからこそ、モチベーションにもつながるのです。

また、エンジニアの成長ストーリーには“幅のあるキャリア”がついてきます。営業やプリセールス、コンサル寄りの仕事へと方向性を変える人もいれば、技術の道を突き詰めてスペシャリストとして活躍する人もいます。どちらを選んでも「任される責任」が成長を後押ししてくれるのです。

「Sierって成長できるの?」と不安に思う方がいたら、胸を張って言えます。頑張った分だけ見える景色が確実に変わっていく。だからこそ、SIerの仕事はただのルーチンではなく、“自分の成長が感じられる仕事”として、心から楽しいと実感できるのです。

ホントに楽しい?SIerはつまらないと感じる側面も

SIerの仕事にはやりがいがある一方で、「思っていたよりもつまらない」「やりたいことができない」と感じる声も少なくありません。

実際、現場では資料作成や調整業務が中心になったり、古い技術の保守がメインになったりと、理想とのギャップに悩むエンジニアもいます。

この“ホントに楽しい?SIerはつまらないと感じる側面も”では、そんなリアルな一面に触れながら、どのような点で楽しくないと感じやすいのかを具体的に紹介していきます。

【不満1】開発より資料作成や会議ばかりでモノづくり感が薄い

SIerで働いていると、「どうもモノづくりをしている実感が持てない」と感じる場面に出会うことがあります。開発職という名前とは裏腹に、実際は資料をまとめたり、会議で調整を重ねたりと、手を動かす工程より話し合いや準備に時間が流れていく仕事も多いからです。

実際、ある調査でも「会議や提案資料、要件定義といった上流の作業に多くの時間を割く傾向がある」と指摘されています(出典:参考資料)。官公庁系の案件では、仕様書や報告書づくりが中心になりやすいという声も挙がっており、こうした環境が“つくっている感覚の薄さ”につながっているようです。

ある大手SIerに勤めていたエンジニアは、「気づけば朝から夕方まで会議が続き、コードを書けたのは一日の終わりに少しだけだった」と話しています。別の人は「資料作成の比重が高く、エンジニアというより事務職に近い気分になることがある」と語っていました。

いずれも、実際の声としては決して珍しくありません。

こうした背景から、SIerで働くなかで“楽しい”と感じにくくなる理由のひとつが、思い描いていたモノづくりの姿とのギャップにあると言えます。開発が好きな人ほど、この違和感は大きくなりやすいのかもしれません。

【不満2】プログラミングの機会が少なく技術が身につかないと感じる

「エンジニアになったのに、コードを書く時間がほとんどない」──SIerで働く中で、そう感じる瞬間があるかもしれません。とくにプログラミングが好きでこの職に就いた人ほど、「このままで本当に技術が身につくのか」と不安に感じることでしょう。

実際、SIerの多くは要件定義や進行管理など“上流”の業務を担当する立場にあり、プログラミング自体は協力会社や外注先が担う構造になっていることが多いです(出典:参考文献)。とくに大規模案件では資料作成や打ち合わせが中心になり、自ら手を動かす時間が限られるという声がよく聞かれます。

あるエンジニアの体験談では、「毎日のスケジュールは会議と資料作成で埋まり、やっとコードに触れるのは終業間際だった」と語られています。技術を磨きたくて業界に飛び込んだ人にとっては、ギャップを感じやすい環境だといえるでしょう。

こうした背景から、SIerで「楽しい」と感じにくくなる原因のひとつとして、「プログラミングの機会が乏しく、技術力が伸びている実感が持ちにくい」ことが挙げられます。成長実感のない日々が、モチベーションの低下に直結してしまうのです。

【不満3】古いシステムの保守が中心で新しいことに挑戦しづらい

「何年も前に作られたシステムを、ずっと手入れしているだけ」。そんな毎日に、物足りなさを感じるSIerエンジニアは少なくありません。

最新の言語やモダンな技術に触れたい気持ちはあるのに、実際にはCOBOLや古いJavaで書かれた既存システムの改修や保守が中心という現場も珍しくないのが現状です(出典:ソフトウェア開発分析データ集)。

特に公共系や金融系のプロジェクトでは、信頼性が最優先されるため、技術的な刷新よりも「壊さないこと」が求められます(出典:参考資料)。エラーが起きないよう、手順書を何重にも確認し、変更範囲はごくわずか。開発というよりも「守る仕事」が日常です。

ある若手エンジニアは「1週間かけて修正したのは、仕様書1行分だった」と笑いながら語ってくれました。

もちろん、保守の重要性は誰よりも理解している。だけど、技術者として「もっと手を動かして作りたい」「新しい分野にも挑戦したい」という思いを胸に抱えたまま、日々が過ぎていく。その葛藤こそが、「SIerの仕事が楽しくない」と感じてしまう一因なのかもしれません。

【不満4】残業が多くプライベートの時間が取りにくいと感じる

仕事終わりに家族とゆっくり食事をしたり、趣味の時間を楽しんだり──そんな日常が思うように確保できないと感じているSIerエンジニアは少なくありません。特にプロジェクトが佳境を迎える時期は、終業時刻を過ぎても会議や作業が続くケースが多く、「気づけば毎晩20時を過ぎている」という声もよく聞かれます。

実際、ITエンジニア全体の平均残業時間は月26.0時間前後(出典:ITエンジニアが働く職場の現状)。一方、厚労省が公表したIT業界における平均残業時間は16.5時間(出典:参考資料)。IT業界の中でもSIerエンジニアの残業は多いことがうかがえて、この差は繁忙期やトラブル対応が重なると、さらに伸びることもあるでしょう。

とある現場では、突発的な設計変更の影響で終電近くまで作業が続いたというエピソードもあり、「翌日も同じようなスケジュールが待っていた」と振り返るエンジニアもいました。仕事に真剣に取り組む姿勢は素晴らしいものですが、プライベートの時間を犠牲にし続ける働き方には限界があります。

自分の時間をどう守るか、働く環境をどう選ぶか。残業の実態をあらかじめ確認し、自分の価値観に合った働き方を選ぶことが、SIerの仕事を“楽しい”と感じるための大切な視点です。

【不満5】転職やキャリアチェンジの道筋が見えず将来が不安になる

SIerとして働いていると、「このまま年齢を重ねた先に、どんな働き方が待っているのか」がはっきり見えず、落ち着かない気持ちになることがあります。目の前の業務をただこなしているだけだと、自分の市場価値が上がっているのかどうか判断しづらく、気付けば将来への不安が膨らんでしまう──そんな声は少なくありません。

実際、SIerから転職を考える人の理由として多いのが、「キャリアが頭打ちになっている」「働き方を見直したい」といったものです。転職先としては、レバテックキャリアの調べによると、社内SEやITコンサル、Web系企業などが候補に挙がるケースが多いとも紹介されています※。

たとえば、数年同じ案件の同じポジションにとどまり続け、スキルの手応えが感じられなくなったエンジニアが、「もっと裁量のある環境で挑戦したい」と思い、転職活動に踏み切った例があります。JACリクルートメントの資料では、SIerから事業会社やコンサルへキャリアチェンジする実例も取り上げられています。

つまり、将来の姿がイメージしづらくなるほど不安は大きくなり、「SIerは楽しい」と心から思う余裕が薄れてしまうのです。いまの環境で限界を感じるなら、自分の得意分野や理想の働き方を書き出すところから始めるだけでも、進むべき方向が少しずつ見えてきます。

※転職エージェント

楽しいと感じるほどSIerが向いている人の特徴とは

SIerの仕事は人とのやり取りや調整、学び続ける姿勢、計画的な進行が求められるため、向いている性格や得意分野がはっきりと表れやすい職種です。

この“楽しいと感じるほどSIerが向いている人の特徴”では、現場でポジティブに働ける人に共通する資質を紹介します。

これからの働き方やキャリアの方向性を見直したいと考える方にとって、自分に合うかどうかを見極めるヒントになるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

【特徴1】人と話すのが苦にならず相手の話をじっくり聞ける人

SIerの仕事が楽しいと感じられるかどうかは、人との会話をどう受け止めるかで大きく変わります。相手の言葉を雑に扱わず、まずは耳を傾ける姿勢を持てる人は、この仕事との相性がかなり良いはずです。

なぜかというと、SIerの現場では、クライアントの担当者や社内メンバーと打ち合わせを重ねながら、要望を一つずつ形にしていく工程が欠かせません(出典:参考資料)。技術だけで押し切るような場面ばかりではなく、むしろ「何を本当に求めているのか」を聞き取りながら整理していく場面のほうが多いくらいです。

実際、エンジニアにもコミュニケーション力が必須だと語られることが多く、要件定義や設計フェーズでは特に“聞く力”がものを言います(出典:IT分野について)。

たとえば、クライアントが「業務をもっとラクにしたい」とざっくり話してきたとき、その言葉の裏にある困りごとを丁寧に拾い上げることで、見えていなかった課題が浮き出てくることがあります。「どの作業が重いのか」「どれくらい改善したいのか」と問いかけを重ねていくうちに、自然と仕様が固まっていきます。

そこまで整理したうえで仕上げたシステムが喜ばれると、ただの作業ではなく“誰かの助けになれた”という実感が強く残ります。

結局のところ、人の話を丁寧に聞ける人は、SIerの仕事の面白さをつかみやすいのだと思います。話を引き出し、形にしていく過程そのものが自分のやりがいになり、プロジェクト全体の価値にもつながっていきます。

【特徴2】新しいことを学ぶのが好きで勉強を続けられる人

「SIerの仕事って、なんだか毎日同じことの繰り返しなんじゃないの?」

そう思う人も少なくありません。でも、実際に現場に立ってみると、技術や手法、働き方など、日々の変化に驚くことが多いです。システムは動いていて当たり前。その“当たり前”を支えるためには、変化に対応し、時には先回りして学び続ける姿勢が欠かせません。

とくに、クラウド環境への移行やセキュリティ要件の強化など、ここ数年で技術の主流も大きく変わりました(出典:参考資料)。「少しでも知らないと話についていけない」。そう感じて、仕事の合間にオンライン講座を受けたり、夜に技術書を読んだりする人も多いです。

たとえば、あるSIer出身のエンジニアは、業務外の時間を使って放送大学で情報学を学び直していました。勉強が趣味のようになっていて、それがやがて昇進や年収アップにもつながっていたそうです。

「学ぶことが好き」──それは、SIerの仕事を楽しめる人の大きな共通点です。努力がそのまま自信になり、やがて仕事のやりがいにもつながっていきます。変化の多い業界だからこそ、学びを楽しめる人にとっては、やりがいも成長実感も尽きない世界です。

【特徴3】決められた期限に向けてコツコツ段取りするのが得意な人

SIerの仕事が「楽しい」と感じられるかどうかは、自分の性格と仕事の進め方がフィットしているかが大きなカギになります。中でも、期限を意識しながら、毎日地道に物事を進められる人は、この仕事に向いている可能性が高いです。

というのも、SIerでは多くの場合「納期ありき」でプロジェクトが動いています。契約に沿って、決まった期日までに成果物を納める必要があるため、途中の進捗管理やタスクの調整がとても重要なのです(出典:参考資料)。

実際、エンジニア向けのキャリアサイトでも「仕様通りに納品できるスケジュール感覚が評価される」といった記載があります。締め切りを守る力は、それだけでチームの信頼を集めます。

ある若手エンジニアは、「毎朝10分だけ、その日のToDoを整理する時間を確保したことで、プロジェクトでミスが減り、自信もついてきた」と話していました。決して派手な話ではありませんが、コツコツを続けられる人ほど、着実に評価され、やりがいを感じられるのがSIerの現場です。

地味に見えても、段取り力は武器になります。自分でペースを作り、確実にゴールへ運べたとき、そのプロセス自体が「楽しい」と思えるようになるかもしれません。SIerという環境は、そういった人の強みを引き出してくれる職場です。

SIerの仕事は楽しくないと感じたときの対処法5選

SIerで働いていると、業務量の多さや環境の変化などからモチベーションが下がり「楽しくない」と感じる場面が出てきます。

そのまま放置すると、負担だけが増えて気持ちが追い込まれやすくなります。

そこで、“SIerの仕事は楽しくないと感じたときの対処法5選”では、状況を改善するための具体的な行動を紹介します。

迷いを抱えている方が前向きに働けるヒントとして活用しやすい内容です。ぜひ、今後のキャリア選択の参考にお役立てください。

【対処法1】まずは楽しくない理由を書き出して整理する

「最近、仕事が楽しくない」と感じたら、まずはその気持ちを紙に書き出してみるのが効果的です。というのも、理由がぼんやりしたままでは、何を変えるべきか判断できず、ただモヤモヤした気持ちを抱え続けるだけになってしまいます。

たとえば「会議ばかりで手を動かせない」「業務にやりがいが感じられない」「成長している実感がない」といった不満を、一度すべて洗い出してみてください。可能であれば、それぞれに対して「具体的にどうなったら理想的か」も書き添えると、今後の行動指針が見えてきます。

実際にIT業界の調査でも、SIerで働くシステムエンジニアの不満の背景には「やりたい仕事とのズレ」「成果が見えづらい職場環境」など、本人の内面と状況のミスマッチが多いことが分かっています(出典:参考文献)。

書き出してみることで、自分の価値観や理想の働き方が改めて明確になり、次に進むべき一歩が見えてきます。小さな整理から、状況を好転させるヒントが生まれるのです。

【対処法2】信頼できる上司や先輩に本音を相談してみる

仕事に楽しさを感じられなくなったときは、一人で抱え込むより、信頼できる上司や先輩に思っていることを素直に話してみると、状況が動き出すことがあります。相談の場があるかどうかは、働きやすさに意外と大きく影響します。

実際、エンジニアの職場では、上司との1on1がうまく機能しているチームほど、悩みを抱え込むケースが少ないと言われています(「上司による定期的な面談の実施(1on1ミーティング等)」が68.3%で最も多い。出典:参考資料)。上司側に求められている姿勢としても、「相談を否定せずに聞く」「技術的な難しさを理解しようとする」などが挙げられており、こうした土壌が整っているかどうかは働きやすさに直結します。

SIerで働くエンジニアの中には、「会議が続き、手を動かせないことがストレスだったので、思い切って上司に話したところ、担当タスクを調整してくれた」という声もあります。必要以上に気を遣う必要はなく、胸の内を丁寧に伝えるだけでも、今の状況に風穴が開くことがあります。

楽しさを取り戻すための最初の一歩として、身近な相談相手に本音を明かす時間をつくってみると、思わぬところから改善の糸口が見えてきます。

【対処法3】プロジェクト変更や担当業務の見直しを頼んでみる

もし今の仕事に手応えがなく、楽しさを見いだせないと感じているなら、思い切ってプロジェクトの異動や担当業務の見直しを打診してみるのも一つの手です。

SIerではチームや案件によって雰囲気も仕事内容もガラッと変わることがあります。同じ会社にいながら、働き方が一変するケースも少なくありません。特に開発業務に関われていない、ルーチン作業ばかりで成長が感じられないといった不満を抱えている場合、別の案件に移るだけで視界が大きく開けることもあります。

実際に、あるエンジニアは運用業務中心のポジションにモヤモヤしていましたが、上司に「もっと設計や開発に関わりたい」と相談したところ、半年後には要件定義から携われる新プロジェクトにアサインされたそうです。最初は勇気がいりますが、声をあげなければ何も変わりません。

環境に馴染めずに消耗するくらいなら、自分の気持ちに正直になってみてください。「SIerは楽しい」と感じられる仕事は、案外すぐそばにあるかもしれません。

【対処法4】興味のある分野の勉強時間を毎日少しでも確保する

今の業務にワクワクしないと感じているなら、少しだけでも「自分が面白いと思える技術」に触れる時間を持ってみると、気持ちが大きく変わることがあります。

たとえば、1日15分でもいいので、興味のある分野に手を伸ばしてみてください。毎日ほんの少しの積み重ねが、のちのち大きな変化につながることは珍しくありません。

実際、エンジニアを対象にしたIPAの調査によると、業務以外での勉強時間は週2.7時間ほどという結果が出ています(先端IT従事者: 平均週2.7時間/先端IT非従事者:平均週1.0時間)。逆に言えば、それ以上の学びを少しずつでも継続できれば、周囲より一歩先に進むことが可能になります。

具体的には、クラウドの技術が気になっているなら、業務後にYouTubeでハンズオン動画を見てみたり、AWSの資格サイトを15分だけ眺めるだけでも十分です。「仕事以外の世界にも楽しさがある」と感じられるようになると、日々の業務に対するモチベーションにも良い影響が出てきます。

ほんの少しでも、楽しいと思えることに時間を使う。その感覚を取り戻すことが、SIerという仕事を前向きに捉える第一歩になるかもしれません。

【対処法5】副業やフリーランス案件でやりたい技術に挑戦してみる

「今の仕事がどうにも楽しく感じられない…」そんなときこそ、自分の手で“やりたい技術”に触れてみると世界が変わります。中でもおすすめなのが、副業やフリーランス案件へのチャレンジです。

というのも、近年はITエンジニア向けに“週1日からOK”“夜だけ参加”といった柔軟な案件も増えてきました。実際、レバテックフリーランスの調査※では、副業によって「スキルの幅が広がった」「新しい技術に触れられて楽しくなった」といった声も多く見られます。

たとえば、日中はSIerとして運用や保守業務に追われている方が、週末限定でWebアプリ開発の案件に携わった結果、「久しぶりにコーディングの楽しさを思い出した」というケースも。副業で得た知識が本業に役立つことも少なくありません。

「SIerは楽しい」と心から言えるようになるには、待つのではなく、自分から“楽しい”を探しに行く姿勢が大切です。副業はその第一歩として、非常に現実的で有効な選択肢になり得ます。やりたいことを、やってみませんか?

【対処法6】転職も選択肢に入れ理想の働き方や条件を紙に書き出す

仕事が思うように楽しめないと感じたときは、転職を視野に入れて、自分がどんな働き方を望んでいるのか一度整理してみると前に進みやすくなります。

SIerのエンジニアの中には「今の職場でこの先どう成長していくのか見えない」「もっと得意な分野で力を試したい」と考える人が多く、実際にIT・通信やコンサル、社内SEへ転身しているケースも一般的です。

その場しのぎで悩んでいても状況は変わらないため、まずは自分の理想像を明確にする作業が欠かせません。

たとえば、「残業は少なめがいい」「年間休日は120日以上ほしい」「在宅勤務を中心にしたい」「最新技術に触れられる環境で働きたい」など、思いついた条件を全部書き出してみます。さらに、「5年後にどんな立場で働いていたいか」「どんなスキルを身につけたいか」といった将来像まで書き添えると、ぼんやりしていた不安が整理され、自分に合った方向が見えやすくなります。

今の環境がつらいと感じているなら、紙に向き合って理想の働き方を言葉にするところから始めるのが一番の近道です。転職を前提にしなくても、自分自身の本音を知ることで次の一歩が自然に見えてくるはずです。

※そして、転職エージェント

年収アップも実現する!SIerから転職する方法3選

今の職場に不満を抱え、「SIerは楽しい」と感じられなくなったとき、転職は視野に入れるべき選択肢です。

特に、年収アップや働き方の改善を目指すなら、実績のある転職エージェントを活用するのが効果的です。

ここでは、ITエンジニアからの評価が高く、実際に多くのSIer出身者が利用している転職サービスを厳選しました。

年収アップも実現する!SIerから転職する方法3選」と題して、それぞれの特徴やおすすめポイントを紹介していきます。

【方法1】マイナビIT AGENT

SIerからの転職を考えているなら、最初の相談先としてマイナビIT AGENTは有力な候補になります。

理由は単純で、IT分野に特化して動いているサービスの中でも、年収アップにつながった人が7割を超えているという実績があるからです。※

数字だけを見ると堅い印象がありますが、実際は20代~30代前半のエンジニアが使いやすい構造になっていて、「今の働き方に不安がある」「もっと成長できる環境がほしい」という気持ちに寄り添った求人が多く並んでいます。

たとえば、保守中心の仕事が続いて「技術が伸びないまま何年も経ってしまった」と感じていた人が、登録後の面談で正直な希望を伝えた結果、最新技術を扱う開発系の求人や、在宅勤務が可能な社内SEなど、働き方の幅が広がる提案を受けたという声があります。

条件交渉や企業との調整も代わりに進めてくれるため、「年収を大きく上げたい」「職場の雰囲気を変えたい」といった望みも現実的に形にしやすくなります。

改めて

SIerの仕事を「楽しい」と思える状態に近づきたいなら、自分の経験を正しく評価してくれる場所に身を置くことが大事です。マイナビIT AGENTは、その一歩を踏み出すときの強い味方になってくれます。

【方法2】レバテックキャリア

「このまま今の働き方でいいのだろうか」「もっと開発に携わって成長できる環境に行きたい」──そんな迷いが芽生えたとき、力になってくれるのがレバテックキャリアです。

ITエンジニア専門の転職エージェントとして知られ、職場の実情や雰囲気まで踏み込んだアドバイスが受けられるのが特徴です。

たとえば、年間7,000回以上も企業に直接足を運び、現場の空気を肌で感じてきたキャリアアドバイザーが揃っているからこそ、条件だけでは見えない“働きがい”のある求人に出会えるのです。

実際、「もっとモダンな開発環境に身を置きたい」と思い、保守業務メインのSIerから転職を決意した方の中には、フルリモート可の自社サービス企業に採用された例もあります。そこでは希望していた技術スタックを活かせるだけでなく、働き方も柔軟で、結果的に「仕事が楽しい」と感じられるようになったとの声もありました。

改めて

自分らしい働き方を模索しているなら、まずは話を聞いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。レバテックキャリアは、悩めるエンジニアにとって、次のステップを一緒に考えてくれる心強い伴走者です。

【方法3】社内SE転職ナビ

「SIerは楽しい」と感じられる働き方に一歩近づきたいなら、社内SEという選択肢を本気で検討する価値があります。中でも「社内SE転職ナビ」は、SIerからの転職を支援するサービスとして、かなり実用的です。

社内SE転職ナビは、名前の通り社内SE職に特化しており、企業の正社員として腰を据えて働きたいエンジニアにマッチする求人を多く扱っています。

特徴的なのは、IT業界に詳しいキャリアアドバイザーが担当してくれる点で、「今の働き方が合わない理由」や「どんな環境なら力を発揮できそうか」を一緒に整理しながら進められることです。

実際に、SIerで客先常駐や夜間対応に疲れた方が、「フルリモート可能」「自社内開発中心」「有休消化率80%以上」といった条件の社内SE求人に出会い、理想的な転職を実現したという声も聞かれます。

改めて

無理なく働きながら、開発に集中できる環境を手に入れたい方にとって、社内SE転職ナビは現実的かつ信頼できる一歩になり得るサービスです。

【Q&A】楽しいと感じる人もいるSIerに関するよくある質問

最後に楽しいと感じる人もいるSIerに関するよくある質問をまとめました。

多くのエンジニアが抱えやすい悩みや実情をわかりやすく整理しています。仕事の魅力と課題を冷静に理解することで、今後のキャリアを考える材料にもなります。

ここから紹介する質問と回答を参考にしながら、自分に合った働き方や将来像を見つけてみてください。

【質問1】SIerの仕事はしょうもないと感じる理由は?

SIerで働いていると、「なんだかしょうもない」とモヤっとする瞬間が出てくる理由は意外とシンプルで、担当業務が保守や資料作成のように地味な作業へ寄りやすい点にあります。

特に大規模プロジェクトでは、実際に手を動かしてサービスを形にするのではなく、やり取りや調整が中心になることが多く、成果がどこにつながっているのか分かりにくくなりがちです。金融系の基幹システムのような案件だと、一日が会議と議事録で終わってしまうことも珍しくありません。

技術を磨きたい人や、ものづくりの醍醐味を味わいたい人にとっては、そこが「つまらない」と感じる大きな要因になっているのです。

【質問2】SIerあるあるで本当にきつい点はどこですか?

SIerに限らない話ですが、納期前の忙しさはやはり重くのしかかります。特に受託や常駐型の働き方だと、クライアント側の都合で直前に仕様が変わることがあり、そのしわ寄せが現場へそのまま来てしまうケースが多いのが現実です。

本来なら十分に取れていたはずのテスト期間が削られ、残業でカバーするしかない日も増えていきます。ITエンジニア全体の実態を見ても、SIerやSESは繁忙期ほど労働時間が伸びやすい傾向が指摘されています。

根を詰める働き方が続くと、楽しさを感じる余裕よりも「心身が削られるほうが大きい」と思ってしまうのも無理はありません。

【質問3】よく聞くSIerの“闇”とは実際は何ですか?

ネット上で語られる“闇”の象徴としてよく挙がるのが、多重下請け構造とスキル停滞の不安です(出典:IT人材を巡る現状について)。

元請けからいくつも会社が挟まる構造だと、最前線で働くエンジニアの報酬が契約金額に比べてかなり目減りするという指摘があります。さらに、下位レイヤーに配置されるほど担当できる業務が限定され、“テストだけ”“運用だけ”という状態が長く続きやすくなります。

そうなると、技術の幅が広がらないまま年数だけが積み上がり、「転職できるほどの強みがないのでは…」と焦りにつながりやすいわけです。

ただ、大手SIerや元請けへ近い立場で働く場合は裁量も年収も大きく変わるため、“闇”と呼ばれる部分の影響は職場によって大きく差があります。

※転職エージェント

【質問4】Yahoo知恵袋で多いSIerの悩みはどんな内容ですか?

Yahoo知恵袋の相談を追っていくと、SIerの悩みとして多いのは、残業の多さ、技術が身につくのかという不安、自社に帰属している感覚の薄さといった内容が中心です。

特に若手の相談では、「運用監視ばかりでスキルが伸びる気がしない」「転職したいのに自分に何ができるのか説明できない」といった声がよく見られます。働く環境や参画するプロジェクトによって“キャリアの伸びやすさ”が大きく変わるため、同じSIerでも悩みの深さには個人差があります。

ただ、相談の傾向を見る限り、キャリアの方向性が見えづらいことに不安を感じる人が特に多いことが見受けられます。

【質問5】SIerは本当に底辺職?キャリア的にどうですか?

ネットでは刺激的な表現として“底辺職”という言葉が使われることがありますが、SIer全体に当てはまるものではありません。確かに多重下請けの末端に位置する場合は年収が低めになりやすいのは事実です。

ただ、その一方で大手SIerや一次請けのように、IT業界の中でも比較的高い年収帯に位置する企業も多くあります。実際、要件定義や顧客との折衝といった上流工程の経験を積んだエンジニアが、事業会社や自社開発企業、社内SEへキャリアアップする例は珍しくありません。

技術一本で勝負する職種とはやや性質が異なりますが、「業務理解」と「調整力」という武器を身につけてキャリアを広げられるのがSIer出身者の強みだと言えるでしょう。

※転職エージェント

まとめ:SIerが楽しい魅力と向いている人の特徴や悩みの対処法

SIerが楽しい魅力と向いている人の特徴や悩みの対処法をまとめてきました。

改めて、SIerが楽しいと感じる5つの魅力をまとめると、

SIerが楽しいと感じる5つの魅力

  • 大きなプロジェクトに参加して社会を支えている実感がある
  • 多くの人が使う仕組みづくりに参加でき家族にも誇れる
  • お客様から直接感謝の言葉をもらえた瞬間がうれしい
  • チームみんなでトラブルを乗り越えたときの一体感が楽しい
  • 経験を重ねるほど任される範囲が増え成長を実感しやすい

そして、SIerの働き方に対する5つの結論もまとめると、

SIerの働き方に対する5つの結論

  • 大規模プロジェクトに関わることで社会貢献を実感できる
  • チームでの達成感やお客様の感謝が仕事のやりがいにつながる
  • 技術に触れる機会が少ないと感じたら副業や勉強で補える
  • 自分に合った働き方を見つけるには条件を明確に書き出すことが大切
  • 転職エージェントを活用することで「楽しい」と思える職場に近づける

SIerの仕事は人によって「楽しい」と感じるポイントが異なります。

プロジェクト規模の大きさや社会的意義に魅力を感じる人もいれば、成長実感や仲間との達成感を重視する人もいます。

自分の価値観に合った環境や働き方を見つけることで、SIerは楽しい」と実感できる道がきっと開けます。