「Web系からSIerに転職ってどう?何が違う?転職するメリットや向いてる人の特徴を教えてほしい!」
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「Web系からSIerに転職したいITエンジニア」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- Web系からSIerに転職して抱いた感想と比較情報
- Web系からSIerに転職するメリットと向いてる人の特徴
- Web系からSIerへの転職成功率を上げる具体的な方法
Web系からSIerに転職を検討しているITエンジニアにとって、実際に転職した人の「率直な感想」は気になるもの。
転職してどうだったのか?良かったのか、悪くなったのか。
また、Web系からSIerにはどういった違いがあるのか?比較情報も、転職する際の有効な判断材料になります。
本記事では、Web系からSIerに転職した時の感想やメリットに加えて転職成功率を上げる方法についても詳しく解説していきます。
Web系からSIerに転職して抱いた感想5選
Web系からSIerに転職して、どういった感想を抱いたのか?
ここでは、Web系からSIerに転職して抱いた感想5選を実体験をもとにご紹介します。
【感想1】求められるスキルが異なり困惑
特に目立った感想のひとつが「求められるスキルが異なり困惑」
私事で恐縮ですが、Web系(ゲーム)からSIerに転職した際、周りの反応からそれに気づき、苦労しました。SIerの人間から見たWeb系出身の私の印象は「(広く浅くスキルがあるけど)強みがわからん器用貧乏」で、扱いに困っている様子でした。
— かとう??カレー人気店を紹介 (@curryevent) July 7, 2016
Web系からSIerに転職した人は、求められるスキルの違いに苦労したようです。
確かに、Web系は自社開発でアプリなどを作成し、SIerはクライアントのシステム開発を受注するわけですから、求められるスキルは異なります。
実際、Web系とSIerでよく使用するプログラミング言語をご紹介すると、
- Web系:JavaScript、PHP、Python、Ruby
- SIer:Java、C#、JavaScript、COBOL
重なる言語が少ないため、Web系で培った技術が、うまく活かせなくて苦労する人も多いのでしょう。
そう考えると、SIerに転職を考えている現役のWeb系エンジニアは、JavaScriptを習得していると、活用できる可能性は大いにあるともいえます。
いずれにしても、同じIT業界でも業態の種類が異なれば、メインの言語も違ってくるため、どこに転職するか?よりも、転職で何を得たいのか?と、「転職の目的」を明確にすることが重要だといえます。
【感想2】SIerは開発以上にエクセルワードを駆使する
次も特に目立つ感想のひとつで「SIerはエクセルワードを使用するが技術は高い」
SIerもWebもどちらも仕事したことあるけど、全力でweb系選びます。
SIerはドキュメントが多いのなんの、しかもバージョン管理が厳密に出来ないエクセルワードとか怖過ぎて精神衛生悪い。
ただ全般的なスキルセットにおいてどちらが高いかと言ったら技術上がりのSIerのおじ様方は凄すぎ。 https://t.co/Sb8mJJKLQI
— 元木大介@SaaS生成AI Babel/Zoltraak & 生成AI塾 (@ai_syacho) August 3, 2024
SIerでは、プログラミング言語以外に、ワード・エクセルを駆使することが多いとの意見が見られます。
中には、開発がやりたいのに、エクセルがやりたくてSIerエンジニアになったわけじゃない!と不満の声も見られます。
確かにSIerの業務では、プロジェクト管理やクライアントへの報告資料作成が多く、これらの業務をこなすためワードやエクセルといったツールを駆使して効率的に情報を整理し、共有することが多々あります。
そのため、エクセルを用いて複雑なデータ分析を行い、視覚的にわかりやすいグラフを作成することや、ワードで細部にわたる契約書を作成することが日常業務に含まれています。
とはいえ、Web系・SIer問わず、エンジニアにはエクセルのスキルも必要といった声があるのも事実。
実際、筆者が経験してきた中で、エンジニアに必要なエクセル関数として、
- ROW関数:配列の行番号を返す関数
- SUM関数:指定した範囲の合計値を求める関数
- VLOOKUP関数:特定のデータを検索する関数
- ROUND関数:任意の桁数に四捨五入する関数
- IFERROR関数:エラーの際に表示変更する関数
上記の関数を駆使して業務をするIT企業は多いです。
そのため、Web系からSIer企業へ転職を考えるなら、上記のようなofficeのスキルはあるに越したことはないです。
【感想3】コード設計よりもドキュメント作成が多い
さらに「コード設計よりもドキュメント作成が多い」
Web系開発ではあまり詳細設計まで求められるケースは少なかったけど(Java開発案件でも)、SIerの会社にいた時はすごく求められた。コードを書いている時間よりドキュメントを書いている時間の方が長いくらい。 / “なぜソースじゃ…” https://t.co/UnyALL3gxb
— 齊藤貴義@サイバーメガネ@練馬区光が丘と福島県相馬市で働くWebエンジニア@ChatGPT開発受託中 (@miraihack) November 5, 2016
先ほどの感想とも通じますが、コードを書いている時間よりもドキュメント作成時間が長いとの声がありました。
例えば、要件定義書や設計書、テスト計画書など、多岐にわたる文書を作成することが日常的です。これらの文書がプロジェクトの進行に直結するため、SIerではコードを書くよりも文書を作成する機会が多いのです。
そして、その声の多くは、SIerが用いる技術が古い、旧態依然のシステム業務といった風に、マイナスに捉えられています。
ただ、SIerのシステムの古さは、クライアントとの影響が大いにあると考えられます。
実際、九州経済産業局のSIer企業参入促進のための競争環境整備調査で、SIerに依頼・外注している取組みで多い項目を見ると、
SIerに依頼・外注している取組み | 全部外注 | 一部外注 |
---|---|---|
旧来型の基幹システムの維持更新 | 19.0% | 44.8% |
社内文書のペーパーレス化 | 10.3% | 22.4% |
電子決裁導入 | 13.8% | 15.5% |
旧来の基幹システムの維持業務が多いことがわかります。
つまり、SIer企業が古いシステムに固執しているわけでなく、顧客の一般企業が古いシステムに依存している要因もあると考察できます。
従って、SIerの業務でドキュメント作成が長いからといって、一概にSIer業界の企業体制が古いと指摘するのは筋違いかもしれませんね。
【感想4】ITスキル以外に納品能力が必要になってくる
さらにSIerの特徴を捉えた感想として「ITスキル以外に納品能力が必要になってくる」
いや割と僕Web系の悪口言いまくってるけどな…燃えない。
手癖で仕事するのは早いけど実は技術力無いとか、自社サービス熟知してることが技術力だって思ってる視野の狭さとか、ビジネスマナーがなってないとか、納品能力が皆無でベンダくると役に立たないとか… https://t.co/igqe1lgPX0
— 炭山水 (@tan3_sugarless) June 3, 2024
Web系の自社開発企業は、クライアントによる納期の制約がないため、納期に対する意識は低いと言えます。
一方、SIerのプロジェクトは、納期が厳しく、クライアントへの成果物を確実に納品することが求められます。
例えば、システム開発の最終段階で、プログラムが完成していても、納品に必要なドキュメントや設定が不十分だと、納品が遅れる可能性があります。納期を守るためには、進捗管理や調整能力が求められます。
そのため、納期厳守のSIer企業に転職すると、戸惑うことも十分にありえます。
実際、システム開発にかかる一般的な期間で考えると、
- 外部設計(基本設計):2~3ヶ月目
- 内部設計(詳細設計):4~5ヶ月目
- コーディング:5~7ヶ月目
上記のような期間が、平均的な工期と考えられます。
Web系開発の場合、上記のような工期を厳守するという意識が、比較的低いと言えます。
そのため、SIer企業に転職する場合、技術力以外に、期日から逆算するスピードを重視する実務能力の面も、磨く必要があるといえますね。
【感想5】プロジェクトの規模感が異なる
そして5つ目の感想で目立つのが「プロジェクトの規模感が異なる」
Web系とSIerは、プロジェクトの規模感が異なるので、Web系のスキルでSIerは難しいと思われ。Web系で技術力大事と思っているなら、SIerはギーク的には満足しないと思うから無理して転職しなくてよいかと。
— Shino IWAMI, Ph.D. – IT Evangelist (@ShinoIWAMI) August 3, 2024
Web系の自社開発企業と、大手プロジェクトの一端を担うSIer企業とでは、プロジェクトの規模がそもそも異なります。
SIerの案件が、必ずしも大手企業とは限りませんが、下請け業務を受注する以上、数社の企業が絡んだ大規模なプロジェクト案件であることが多いです。
実際、厚労省のシステム開発に関する実態調査で、下請け構造における開発業務のプロジェクト規模を見てみると、
- 1~30人/月:33.7%
- 31~100人/月:28.8%
- 101~300人/月:24.6%
- 301人以上/月:12.9%
1人~100人までのプロジェクトが約6割近くを占めています。
一方、Web系に代表されるアプリ開発業務は、少人数で行われることが多いです。具体的には、デザイナー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、プロジェクトマネージャーなど、5~10人程度のチームで進行するケースが一般的です。厚労省のサイトを見ても、アプリ開発業務は少人数のチームで開発する場合が多いと記載されています。
以上を踏まえると、プロジェクト規模の違いから、Web系からSIer企業に転職して戸惑う人も多いのは、あながち間違いではありません。
【注意】SIerとWeb系の違いを比較
ここまで、Web系からSIerに転職して抱いた感想についてご紹介してきました。
筆者だけでなく、実際にWeb系からSIerに転職したエンジニアが抱いた感想ですので、生々しいリアルな体験談となっています。
ただ、感想はあくまで主観であり、情報に客観性も取り入れなければ勘違いも起こりえます。
そのため、ここからは注意点も踏まえて、SIerとWeb系の違いを比較していきます。
まずは、両社の比較ポイントで要点を簡潔にまとめた比較表をご覧ください。詳細の説明は後述します。
比較表 | SIer | Web系 |
---|---|---|
プロジェクトの規模 |
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用いる主な開発手法 |
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求められるスキル |
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残業の多さ・働きやすさ |
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受け取れる年収や待遇面 |
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【比較1】プロジェクトの規模
まず「プロジェクトの規模」の違いについての比較です。
SIerとWeb系のプロジェクトの規模は大きく異なります。SIerのプロジェクトは一般的に大規模であり、Web系とは異なる運営体制と管理手法が必要です。理由は、SIerのプロジェクトは企業全体や複数の部署にまたがるシステムを導入することが多く、関係者が多岐にわたるためです。
具体例として、SIerのプロジェクトでは数百人規模のチームが関わり、プロジェクト期間も1年以上に及ぶことが一般的です。このような大規模プロジェクトでは、関係部署や外部ベンダーとの調整が重要であり、プロジェクトマネージャーによる詳細な計画と進行管理が欠かせません。さらに、プロジェクトの進捗を管理するためのドキュメント作成や報告業務が多く、慎重なスケジュール調整が求められます。
一方、Web系のプロジェクトは比較的小規模で、短期間で完了することが多いです。一般的には5~10人程度のチームで進行し、数週間から数か月でリリースを目指すケースが多く見られます。スピード重視の開発が特徴であり、迅速な意思決定と柔軟な対応が求められます。このようなプロジェクトでは、簡潔な管理体制が整えられており、必要な修正や改善を素早く行うことが可能です。
このように、SIerとWeb系のプロジェクト規模の違いは、プロジェクトの進め方や必要なスキルにも大きな影響を与えます。SIerでは大規模で複雑なプロジェクト管理が求められるのに対し、Web系では迅速かつ柔軟な対応が重視されるため、それぞれに適した体制とスキルが必要です。
【比較2】用いる主な開発手法
次に「用いる主な開発手法」の違いについての比較です。
SIerとWeb系の開発手法には大きな違いがあります。SIerは計画性を重視した手法が多く、Web系は柔軟で迅速な対応が求められる手法が主流です。理由は、SIerでは大規模で長期間にわたるプロジェクトが多いため、綿密な計画と管理が必要となるのに対し、Web系は市場の変化に迅速に対応する必要があるからです。
具体例として、SIerではウォーターフォール型の開発手法が多く用いられます。ウォーターフォール型は、要件定義から設計、開発、テスト、運用といった各フェーズを順に進める手法で、全体の流れを把握しながら進行します。この手法はプロジェクトの規模が大きく、変更が発生しにくい場合に適しており、全体を統制しやすい点が特徴です。また、V字モデルなど、テスト工程を早期から組み込む手法も採用されることがあります。
一方、Web系ではアジャイル型の開発手法が一般的です。アジャイル型は、短期間で反復的に開発を進め、段階的に機能を追加していく手法です。この手法は、要件が変わりやすいWebプロジェクトにおいて、柔軟に対応できるメリットがあります。また、スプリントと呼ばれる短期間の開発サイクルを繰り返すことで、迅速にリリースを行い、ユーザーフィードバックを反映させながら進めることが可能です。
このように、SIerとWeb系ではプロジェクトの性質に応じて適した開発手法が異なります。SIerでは計画性と統制を重視し、Web系では柔軟性とスピードを重視するため、それぞれの手法に合わせたスキルやマインドセットが求められます。
【比較3】求められるスキル
「求められるスキル」の違いについての比較です。
SIerとWeb系では、求められるスキルが大きく異なります。SIerではプロジェクト管理や文書作成能力が重視される一方、Web系では技術力とスピードが求められます。理由は、SIerのプロジェクトは大規模で複雑なため、全体を見通し、関係者を調整する能力が不可欠であるのに対し、Web系のプロジェクトは短期間での開発が多く、迅速に動ける技術力が必要だからです。
具体例として、SIerではプロジェクトマネージャーが重要な役割を果たします。数百人が関わるプロジェクトを進行させるため、スケジュール管理やリスク管理、チーム間のコミュニケーションを円滑に行うスキルが求められます。また、クライアントとの折衝や詳細なドキュメント作成も重要な業務の一部です。要件定義書や設計書、進捗報告書など、プロジェクトに関連する多数の文書を正確に作成する能力が必要です。
一方、Web系ではプログラミングスキルが中心となります。特にフロントエンドやバックエンドの技術を駆使して、迅速に機能を実装する能力が求められます。加えて、UI/UXデザインとの連携や、ユーザーフィードバックを迅速に反映するためのアジャイル開発手法に適応する柔軟性も重要です。こうしたスキルを持つことで、Web系のプロジェクトを効率的に進行させることが可能です。
このように、SIerでは計画的なプロジェクト管理や文書作成スキルが必要とされるのに対し、Web系では高い技術力と柔軟な対応力が求められます。転職を考える際には、それぞれの業界で求められるスキルを理解し、自身の強みをどう生かせるかを検討することが重要です。
【比較4】残業の多さ・働きやすさ
「残業の多さ・働きやすさ」の違いについての比較です。
SIerとWeb系の仕事では、残業の多さや働きやすさに大きな違いがあります。SIerは残業が多くなりがちですが、Web系は比較的働きやすい環境が整っている場合が多いです。理由は、SIerのプロジェクトは大規模で複雑なため、納期直前やトラブル対応に追われることが多く、結果として残業が増えやすいからです。一方、Web系は短期間で進行するプロジェクトが多く、柔軟な働き方が可能です。
具体例として、SIerではクライアントとの関係が密接であり、要望に応じて突発的な対応が求められることが多々あります。特に、納品が近づくと、バグ修正や最終調整のために深夜まで残業することが珍しくありません。大規模なシステムのトラブル対応では、多くの関係者と連携しながら迅速に解決策を講じる必要があり、時間外労働が増える傾向にあります。
一方、Web系では、リモートワークやフレックスタイム制が導入されている企業が増えています。このような環境では、個々のスケジュール管理がしやすく、仕事とプライベートのバランスを保ちやすいです。アジャイル開発の手法を用いることで、スプリントごとにタスクを管理し、残業を最小限に抑えることが可能です。さらに、スタートアップ企業などでは、成果主義が採用されており、効率的に働くことが奨励されています。
このように、SIerでは残業が多くなりがちであるのに対し、Web系では柔軟な働き方が可能で、残業も少なく働きやすい環境が整っていることが多いです。転職を考える際には、働き方や残業の多さを事前に確認し、自身のライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
【比較5】受け取れる年収や待遇面
そして最後に「受け取れる年収や待遇面」の違いについての比較です。
SIerとWeb系では、受け取れる年収や待遇面に大きな違いがあります。SIerでは安定した年収と充実した福利厚生が期待できる一方、Web系では成果に応じた報酬や柔軟な働き方が重視される傾向があります。理由は、SIerの多くが大企業であり、年功序列や固定給が一般的であるのに対し、Web系はベンチャー企業やスタートアップが多く、実績に応じた報酬体系を採用しているためです。
具体例として、SIerでは新卒で入社した場合、年収はおおむね400万~600万円程度で推移します。年次が上がるごとに昇給し、プロジェクトマネージャーや部門長に昇進すれば年収1,000万円を超えることも珍しくありません。さらに、大企業であることが多いため、住宅手当や家族手当、企業年金といった福利厚生が充実しており、安定した生活が送りやすい環境が整っています。
一方、Web系では、特にスタートアップやベンチャー企業において、成果主義が採用されていることが多く、スキルや成果に応じて年収が大きく変動します。初年度の年収はSIerと同程度であることが多いものの、短期間での大幅な昇給や、ストックオプションなどによる長期的なリターンが期待できるケースもあります。また、リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方をサポートする制度が整っている企業が多く、個々のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
このように、SIerでは安定した年収と手厚い福利厚生が得られる一方、Web系では成果に応じた報酬と柔軟な働き方が提供されるため、それぞれのキャリアビジョンや生活スタイルに応じた選択が重要です。
Web系からSIerに転職するメリット
ここまで、SIerとWeb系の違いを比較してきました。
では改めて、Web系からSIerに転職するメリットは何か?
Web系からSIerに転職するエンジニアが、最も注目するポイントをまとめています。
【メリット1】年収アップが期待できる
まず1つ目のメリットとして挙げられるのは「年収アップが期待できる」
SIer企業は、ITエンジニアの中でも年収アップできる可能性が高いです。
特に、大手企業のSIerは、年収が高い会社が非常に多いです。
具体的に会社名を挙げると、以下のようなSIerがあります。
- NTTデータ:日本最大のSIerであり、グローバルに展開。
- 日立製作所:日立グループの一員として多岐にわたるSI事業を展開。
- 富士通:日本を代表するIT企業で、多くのSIプロジェクトを手掛ける。
- 大塚商会:中小企業から大企業まで幅広い顧客層にSIサービスを提供。
- NECソリューションイノベータ:NECグループのSIerとして、多岐にわたる分野で活動。
- SCSK:住友商事グループのSIerで、金融、製造業など多様な業界に強みを持つ。
- TIS:ITホールディングスグループの一員として、幅広い業界にSIサービスを提供。
- インテック:北陸地方を拠点にするIT企業で、全国規模のSI事業を展開。
- 野村総合研究所(NRI):コンサルティングとSIの両方を行う企業として知られる。
- オービック:会計システムやERPシステムに強みを持つSIer。
実際、Web系とSIer企業の年収の特徴を挙げると、
- SIer:年功序列の企業が多く、経験を積めば年収が高くなる
- Web系:最初の給料は良いが、年収の伸びは少ない
また、上位企業を比較すると、SIerの方が年収が高い傾向があるため、キャリアアップを目指すには、SIerの方が有利と言えるでしょう。
経験年数が年収に反映されるのは、モチベーションを高める点でも、非常に有効だと言えます。
【メリット2】福利厚生面での待遇アップが見込める
次に2つ目のメリットとして「福利厚生面での待遇アップが見込める」
SIer企業は、福利厚生が充実している企業が多いです。
主な理由として、親会社や関連会社が大手企業で、福利厚生面に力を入れている会社が多いため。
実際、エン・ジャパンのアンケート調査によると、IT・WEB業界での福利厚生への納得度が高い会社を調べたところ、
- 日立ソリューションズ
- NTTデータ
- NTTドコモ
ユーザー系やメーカー系SIerが上位を独占しています。
従って、SIer企業の方が、長年勤めると福利厚生面での待遇アップが見込めます。
安定志向の人には、SIerの方が向いているかもしれませんね。
【メリット3】コーディングする機会がめっきり減る
3つ目のメリットとして「コーディングする機会がめっきり減る」
SIerに転職すると、コーディングする機会がめっきり減ることがあります。主な理由として、SIerの仕事ではコーディングよりもプロジェクト管理やクライアント対応、ドキュメント作成などの業務が重視されるからです。
例えば、SIerでは要件定義書や設計書の作成、クライアントとの打ち合わせなど、技術的なスキルよりもコミュニケーション能力や管理能力が求められる場面が多くなります。特に、大規模なプロジェクトでは、開発の実作業を外部パートナーや別チームに任せることが多いため、自分自身でコーディングする機会が減少します。このように、SIerではコーディングよりも管理や調整が主な業務となります。
【メリット4】携われるプロジェクトの規模が大きい
4つ目のメリットとして「携われるプロジェクトの規模が大きい」
SIerに転職すると、携われるプロジェクトの規模が大きくなることが多いです。なぜなら、SIerの業務では企業全体に関わる大規模なシステム導入やインフラ構築プロジェクトが中心となるからです。
例えば、数百人規模のチームが関与し、数年単位で進行するプロジェクトに携わる機会が増えます。このようなプロジェクトでは、全社的な業務プロセスの改善や、複数のシステムを統合するための戦略的な設計が求められます。大規模プロジェクトに関わることで、広範な視点や高度な調整能力を身につけることができます。
【メリット5】社内勉強会も多くて教育体制が整っている
そして5つ目のメリットとして「社内勉強会も多くて教育体制が整っている」
SIerに転職すると、社内勉強会が多く、教育体制が整っている点が大きなメリットです。理由は、SIer企業は大規模なプロジェクトを扱うため、社員が常に最新の知識や技術を習得できるように組織的な教育プログラムを提供しているからです。
例えば、新入社員向けの基礎研修から、技術スキルやプロジェクト管理に関する専門的な勉強会が定期的に開催されます。さらに、資格取得支援やeラーニングの導入も進んでおり、自己学習の機会も豊富にあります。このように、SIerでは学習環境が充実しており、継続的にスキルアップを図ることが可能です。
Web系からSIerに転職が向いている人の特徴
ここまで、Web系からSIerに転職した場合の情報を網羅的に解説してきました。
では、どういったエンジニアがSIerへの転職には向いているのか?
最も気になるWeb系からSIerに転職が向いている人の特徴についてまとめます。
【特徴1】大規模プロジェクトに関わりたい人
まず1つ目の特徴として「大規模プロジェクトに関わりたい人」
SIerは、Web系から転職を考えているITエンジニアにとって、大規模なプロジェクトに挑戦できる魅力的なフィールドです。
SIerでは、数百人が関わり、数年単位で進行するシステム導入やインフラ構築のプロジェクトが中心です。こうしたプロジェクトでは、企業全体に影響を与えるような大規模な業務プロセスの改善や新システムの導入に携わることができます。Web系で培った技術力を生かしつつ、より広範な視点で仕事を進めたいと考えているITエンジニアには、SIerの環境が新たな成長の場として適しています。
【特徴2】安定した収入とキャリアを求める人
次に2つ目の特徴として「安定した収入とキャリアを求める人」
Web系からSIerへの転職は、安定した収入とキャリアを求めるWeb系エンジニアに適した職場です。
SIerの多くは大企業であり、年功序列による昇給制度や手厚い福利厚生が整っています。例えば、新卒で入社後、年収は400万~600万円程度でスタートし、キャリアを積むことでプロジェクトマネージャーや部門長などのポジションに昇進すれば、年収1,000万円を超えることもあります。また、住宅手当や家族手当、企業年金などの充実した福利厚生が、長期的なキャリア形成をサポートします。安定した収入と明確なキャリアパスを重視するITエンジニアにとって、SIerは魅力的な選択肢です。
【特徴3】文書作成やドキュメント整理が得意な人
そして3つ目の特徴として「文書作成やドキュメント整理が得意な人」
Web系からSIerへの転職は、文書作成やドキュメント整理が得意なWeb系エンジニアに向いています。
主な理由として、SIerの仕事では詳細な要件定義書や設計書、プロジェクトの進捗報告書など、多くの文書を作成する業務が中心となるからです。例えば、大規模なシステム開発では、各ステークホルダーに正確な情報を伝えるために、膨大な量のドキュメントを整理し、わかりやすくまとめることが求められます。このような業務において、文書作成が得意なエンジニアは、そのスキルを大いに活かせます。ドキュメント整理が好きなITエンジニアには、SIerの職場が適しています。
Web系からSIerへの転職成功率を上げる3つの方法
「Web系からSIerに転職するメリットや向いてる人の特徴もわかった!今すぐ転職したい!でも、どうすれば転職できる?少しでも成功確率を上げるには、今から何をすればいいのかな?」
Web系からSIerに転職するメリットは、大いにあります。
SIerが向いてる人にとっては、待遇面だけでなく働き方や関われるプロジェクトでも、多くの優位性を得ることが可能です。
では、どうすればWeb系からSIerに転職する成功確率は上げられるようになるのか?
ここからは、具体的なWeb系からSIerへの転職成功率を上げる3つの方法を解説していきます!
【方法1】SIer業界の動向をリサーチする
まず必ず実践したいのが「SIer業界の動向をリサーチする」
SIer業界の動向をリサーチすることは、Web系からSIerに転職する際の成功率を高める重要なステップです。なぜなら、業界のトレンドや企業のニーズを理解することで、効果的な自己PRが可能になるからです。
例えば、現在のSIer業界ではクラウド化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでおり、これに対応できるスキルをアピールすることが有利になります。実際、企業がどのような技術やサービスに注力しているかを把握しておくと、面接での志望動機やキャリアビジョンを明確に伝えることができます。このように、事前のリサーチが転職成功に大きく貢献します。
そして、SIer業界の動向をリサーチする上で、SIer企業の情報収集は欠かせません。情報がなければ、業界の理解も進まず、効果的な自己PRの作成に役立てることが困難になります。
そんな転職活動での情報収集には転職エージェントの「レバテックキャリア」が特に有効です。
結局、理想の会社、希望する働き方にマッチした求人に出会えるかは「タイミング次第」です。
欲しい求人が、永続的に掲載されていることはあり得ませんので、常にアンテナを張る意味でも転職エージェントに事前に登録しておいて、情報収集しておくことをおすすめします。
【方法2】SIerに転職したい志望動機を明確にする
リサーチを踏まえて次に「SIerに転職したい志望動機を明確にする」
SIerに転職したい理由を明確にすることは、転職成功のカギとなります。なぜなら、志望動機が明確であれば、面接で説得力のある説明ができるからです。
例えば、Web系で培ったスキルを大規模なシステム開発に活かし、企業全体に影響を与える仕事がしたいという明確な目標があれば、それが志望動機になります。また、安定したキャリアを築きたい、プロジェクト管理スキルをさらに高めたいといった具体的な理由を述べることで、面接官に強い印象を与えることができます。志望動機をしっかり整理しておくことが、転職成功への第一歩となります。
もし、志望動機の考え方や作成が進まない場合は、転職エージェント「マイナビIT AGENT」のアドバイスを受けるのがおすすめです。
マイナビIT AGENTを活用すれば、専門的なサポートと深い業界知識に基づいたアドバイスが得られます。特にIT業界に精通したキャリアアドバイザーが、あなたのこれまでの経験やスキルを的確に評価し、どのように志望動機を構築すれば採用担当者に響くかを一緒に考えてくれます。
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【方法3】IT専門の転職エージェントをフル活用する
そして何より重要なのが「IT専門の転職エージェントをフル活用する」
IT専門の転職エージェントをフル活用することは、Web系からSIerへの転職成功率を高めるために非常に効果的です。なぜなら、エージェントは業界の動向や企業ごとの採用基準に詳しく、個々のスキルや経験に最適な求人を紹介してくれるからです。
例えば、エージェントが提供する非公開求人には、一般には知られていない好条件の案件が含まれることがあります。また、面接対策や履歴書の添削など、個別のサポートを受けることで、より準備が整った状態で選考に臨むことができます。エージェントを活用することで、転職成功の可能性を大いに高めることができます。
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【Q&A】Web系からSIerへの転職に関するよくある質問
最後にWeb系からSIerへの転職に関するよくある質問をまとめます。
【質問1】社内SEからSIerに転職するのは難しい?
「社内SEからSIerに転職するのは難しい?」
社内SEからSIerへの転職は十分に可能です。
社内SEとしての業務システムの運用管理やユーザーサポートの経験は、SIerでも求められるスキルです。例えば、システム導入やトラブルシューティングの経験は、クライアント対応やプロジェクト管理に役立つでしょう。実際、社内のさまざまな部署と連携してきた経験は、コミュニケーション能力として評価されます。こうした経験やスキルを活かせる場が多いため、社内SEからの転職は難しくありません。
【質問2】Webエンジニアから転職するならおすすめの転職先はどこ?
「Webエンジニアから転職するならおすすめの転職先はどこ?」
Webエンジニアから転職するなら、SIerやコンサルティングファームが良い選択肢です。
主な理由として、Webエンジニアとしての技術力を活かしつつ、より広範な業務経験を積むことができるからです。SIerでは、大規模なシステム導入プロジェクトに関わり、プロジェクト管理やクライアント対応のスキルを磨くことができます。また、コンサルティングファームでは、企業のIT戦略策定やデジタル化支援を通じて、ビジネス全体の視点でITを活用する経験が得られます。これらの転職先は、キャリアの幅を広げたい人に適しています。
【質問3】WebエンジニアからSEに転職を成功させるにはどうすればいい?
「WebエンジニアからSEに転職を成功させるにはどうすればいい?」
WebエンジニアからSEへの転職を成功させるには、技術力に加えてプロジェクト管理やクライアント対応のスキルを磨くことが大切です。
SEの仕事では、単にコードを書く以上に、プロジェクト全体を見渡して進行を管理したり、クライアントと円滑にコミュニケーションを取る能力が求められます。例えば、要件定義やスケジュール管理の経験があれば、転職後の業務にもスムーズに適応できます。実際、クライアントとの打ち合わせや調整の経験があると、より信頼されるSEになれるでしょう。こうしたスキルを身につけることで、転職の成功率が高まります。
【質問4】フロントエンドエンジニアからSIerに転職することは可能?
「フロントエンドエンジニアからSIerに転職することは可能?」
フロントエンドエンジニアからSIerに転職することは十分に可能です。
なぜなら、フロントエンドの技術やユーザーインターフェースに関する知識は、SIerでも役立つスキルだからです。例えば、SIerのプロジェクトでは、クライアントが利用するシステムのUI設計やユーザビリティの向上が求められることが多く、フロントエンドの経験が活かされます。実際、Web開発の経験を持つことで、クライアントのニーズに沿った提案や技術的なアドバイスができるため、即戦力として評価される可能性が高いです。このように、フロントエンドのスキルはSIerでも強みになります。
【質問5】Web系からSIerに転職したら職種がデザイナーなんてあり得る?
「Web系からSIerに転職したら職種がデザイナーなんてあり得る?」
Web系からSIerに転職した場合、デザイナー職に就くことはほとんどありません。
理由として、SIerの業務は主にシステム開発やインフラ構築が中心で、デザイン業務とは異なる分野だからです。実際、SIerではクライアントの業務システムの設計や要件定義、プロジェクト管理が主な役割となり、デザイナーとしてのスキルが直接求められることは少ないです。UI/UXの知識が役立つ場面はあるかもしれませんが、デザイナーとしての役割を担うことはほぼないため、その可能性は非常に低いです。
まとめ:Web系からSIerに転職した時の感想やメリット
Web系からSIerに転職した時の感想やメリットをまとめてきました。
改めて、Web系からSIerに転職して抱いた感想をまとめると、
- 求められるスキルが異なり困惑
- SIerはエクセルワードを使用するが技術は高い
- コード設計よりもドキュメント作成が多い
- ITスキル以外に納品能力が必要になってくる
- プロジェクトの規模感が異なる
Web系からSIerへの転職は、エンジニアにとってのスキルセットだけでなく開発環境にも大きな変化をもたらします。そのため、Web系からSIerへの転職を考えるITエンジニアにとって、異なる業界で求められるスキルや働き方を理解することが重要です。
SIerでは、技術力だけでなく、ドキュメント作成やプロジェクト管理能力が重視されるため、これらのスキルを磨くことが必要です。また、プロジェクトの規模が大きく、長期間にわたることが多いため、チーム全体の調整力や納品スキルも重要です。新しい環境に適応し、キャリアの幅を広げるための準備をしっかりと行いましょう。