「肉体労働を続けて年取ったら将来どうなる?将来のことを考えたら、今のうちから対策は考えたほうがいいのかな・・・」
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「肉体労働に従事するも将来に不安を抱える人」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- 肉体労働は何歳までできるかの結論
- 肉体労働で年取ったらきつい現実
- 体壊す前に肉体労働の仕事から今すぐ抜け出す方法
肉体労働は何歳までできるのか?
そして、肉体労働を続けて年を取ったら、将来どうなる?
多くの不安を抱く肉体労働は何歳までできるかの結論と体を壊す前に現状から今すぐ抜け出す方法を詳しく解説していきます。
【結論】肉体労働は何歳までできる?
肉体労働は何歳までできるのかどうか?
結論からいうと、何歳まででも働けます。
定年を迎えるまでは、肉体労働の現場で働くことが可能です。
可能なんですが、「肉体的な限界」は定年を迎える前に訪れる可能性は高いです。
実際、厚労省が公表した「賃金構造基本統計調査」で、産業別の平均年齢と平均勤続年数を見てみると、
産業別 | 平均年齢 | 勤続年数 |
---|---|---|
鉱業/採石業など | 47.9歳 | 14.5年 |
建設 | 45.2歳 | 13.5年 |
製造業 | 43.7歳 | 14.8年 |
運輸業/郵便業 | 48.0歳 | 13.1年 |
上記結果の通り、平均年齢が高い割に、勤続年数が15年以内であることがわかります。
また、労働政策研究・研修機構が公表した「60代の雇用・生活調査」で、60~64歳の就業状況を職種別に見てみると、
- 専門的、技術的な仕事:24.2万人
- 事務的な仕事:10.6万人
- サービスの仕事:15.5万人
- 農林、漁業の仕事:0.8万人
- 建設、採掘の仕事:2.5万人
農林業や建設業などの肉体労働は、圧倒的に少ないことがわかります。
従って、肉体労働は、65歳の定年までに限界を迎えている人が多いと予測することができます。
以上を踏まえると、肉体労働に従事するのは、長く続けられない点を考慮に入れたほうが良いと言えますね。
肉体労働で年取ったらきつい現実(体壊したら終わり)
結論、肉体労働は何歳まででも働けますが、現実的には定年前に限界を迎えます。
さらに、肉体労働を続けるときつい現実が待っています。
どんな現実が訪れるのか?具体的な肉体労働で年取ったらきつい現実をご紹介します。
【現実1】長く働いても賃金が低いまま上がらない
まず1つ目の現実が「長く働いても賃金が低いまま上がらない」
肉体労働は、重労働のわりに賃金水準が低いため、長く続けていくのは厳しい現実があります。
たとえば、建設業を見ても、建設業界全体の労働者の賃金と、肉体労働に従事している「生産労働者」との賃金格差は、とても大きいです。
具体的には、国交省が公表した「建設業における賃金等の状況について」の建設業者と製造業者における「生産業者」の賃金を比較してみると、
- 全産業男性労働者:551.7万円
- 建設業男性全労働者:554.0万円
- 建設業男性生産労働者:445.0万円
- 製造業男性全労働者:552.7万円
- 製造業男性生産労働者:470.3万円
上記結果の通りで、生産労働者(肉体労働従事者)は、全労働者の年収より約80万~110万円少ないことがわかります。
従って、長年働いても、格差が縮まらず、肉体的にも厳しい状況が続きます。
ですので、肉体労働で年取ったらきつい現実として、長く働いても賃金が低い点が挙げられます。
【現実2】年を取るにつれて再就職・転職は厳しくなる
次に2つ目の現実として「年を取るにつれて再就職・転職は厳しくなる」
肉体労働は、年齢を重ねるごとに体力的に厳しいだけでなく、就職自体も難しくなってきます。
非正規雇用としてなら、肉体労働関係なく働ける機会はあるものの、正規社員として働ける機会はどんどん狭くなっていくのが現実です。
実際、内閣府の「高齢社会白書」で、年齢別の就業率の推移を見てみると、
- 60~64歳:71.5%
- 65~69歳:50.3%
- 70~74歳:32.6%
- 75歳以上:10.5%
上記の通り、年齢を重ねるにつれて就業率は低くなります。
また、同資料で、正規の職員・従業員の数を年齢別に見てみると、
- 55~59歳:約255万人
- 60~64歳:約125万人
- 65~69歳:約49.5万人
65歳の定年退職前に、半分近く減少していることがわかります。
従って、年を取るにつれて再就職・転職は厳しくなるのも、肉体労働で年を取ったらきつい現実のひとつです。
【現実3】過酷な労働で平均寿命が短くなる
そして3つ目の現実が「過酷な労働で平均寿命が短くなる」
肉体労働が年を取るときつい現実として、肉体を酷使するために短命になるリスクがあります。
寿命が短くなるだけでなく、身体をこわしたり、病気になりやすい身体になるリスクも考えられます。
実際、厚労省が公表した「人口動態職業・産業別統計の概況」において、第1次産業と第2次産業の職種別死亡率を見てみると、
- 農業、林業:11.1
- 漁業:11.1
- 鉱業、採石業、砂利採取業:28.1
- 建設業:2.8
- 製造業:1.5
- 就業者総数(有職):2.5(就業者の平均値)
上記のように、製造業以外が平均値2.5以上の高水準であることがわかります。
従って、肉体労働者の死亡率は、他の職種よりも高いと言えます。
以上を踏まえると、平均寿命が短くなる点も、肉体労働で年取ったらきつい現実となります。
体壊す前に肉体労働の仕事から今すぐ抜け出す方法
ここまで、肉体労働で年取ったらきつい現実について解説してきました。
年を取れば、肉体労働ができなくなるだけでなく、賃金の低さや再就職が厳しくなる現実が待っています。
「今」は良くても、今後続ければ将来的な「リスク」が静かに訪れることになりかねません。
では、どうすれば肉体労働のきつい現実から抜け出せるのか?
体壊す前に肉体労働の仕事から今すぐ抜け出す方法があります。
それは「スキルを身につけて転職する」ことです。
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まずは、スキルを身につけて、転職に有利な状況を作ることが最優先です。
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肉体労働が「しんどい」と感じるなら将来について考えるべき
ここまで、肉体労働の限界年齢と今すぐ抜け出す方法を解説してきました。
もしあなたが、今の肉体労働に悩んでいるなら。
肉体労働が「しんどい」と感じるなら将来について考えるべきです。
現実問題として、年を取ってからも働きたいという人は多いので、転職率の高いうちに希望の職種に就けるよう、行動を起こすことが先決と言えます。
実際、労働政策研究・研修機構の「60代の雇用・生活調査」で、「60代の就業意向」を見てみると、
- 採用してくれる職場があるなら、ぜひ働きたい:30.5%
- 働くことが(ほぼ)決まっている:25.6%
- まだ決まっていない:27.2%
60代になってからも、就労意欲の高い人が多いことがわかります。
また、早いうちに行動を起こした方が良いもうひとつの理由として、年齢が上がるにつれて転職しても賃金状況が改善されない点も挙げられます。
たとえば、厚労省が公表した「雇用動向調査」の「転職入職者の賃金変動状況」を年齢別に見てみると、
転職入職者|賃金変動状況 | 転職で賃金が「増加」した割合 | 転職で賃金が「減少」した割合 |
---|---|---|
35~39歳 | 44.9% | 23.3% |
40~44歳 | 38.0% | 32.3% |
45~49歳 | 34.2% | 27.6% |
50~54歳 | 24.9% | 36.1% |
55~59歳 | 29.1% | 39.9% |
60~64歳 | 16.2% | 63.7% |
(出典:厚労省「令和4年雇用動向調査結果の概況」)
上記の通り、50代を境にして、転職しても「賃金が減少した」という人が多いことがわかります。
従って、年を重ねてから転職するよりも、早いうちに希望の職種に就いて定年を迎える方が、経済的な面でも、有利であると言えるでしょう。
【Q&A】年取ったらきつい肉体労働に関するよくある質問
最後に年取ったらきつい肉体労働に関するよくある質問をまとめます。
【質問1】40代で肉体労働はきついですか?
「40代で肉体労働はきついですか?」
40代で肉体労働に従事している人の割合はもっとも多いと考えられますが、肉体的な面を考えるときつくなってくるといえます。
実際、スポーツ庁が公表した「体力・運動能力調査」のデータでは、70点を満点とする運動能力の加齢変化を見てみると、
運動能力の加齢変化 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
20~24歳 | 41点 | 39点 |
30~34歳 | 39点 | 37点 |
40~44歳 | 35点 | 34点 |
50~54歳 | 31点 | 31点 |
(出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」)
上記の通り、年齢を重ねるごとに落ちています。
ちなみに、上記の運動能力調査は、握力・持久走・反復横跳び等の数値から計算されたデータとなります。
以上の結果から考えると、40代から体力的な衰えが始まると言えるので、きついと感じる状況は多くなってくると考えられます。
関連記事:通信業界はしんどい?5つの理由と勤めるメリットから向いている人の特徴を紹介
【質問2】50代で肉体労働はきついですか?
「50代で肉体労働はきついですか?」
50代は、40代よりもさらに厳しくなるでしょう。
実際、建設業では、従業員の高齢化について危惧する声もあります。
具体的に、国交省の「最近の建設業を巡る状況について」で、55歳以上の就業者の人口推移を見ると、
- 2018年:34.9%(全産業平均:30.0%)
- 2019年:35.3%(全産業平均:30.5%)
- 2020年:36.0%(全産業平均:31.1%)
上記結果の通り、全産業の平均よりも高いことがわかります。
一方、29歳以下が1割程度のため、次世代への技術承継が大きな課題となっています。
いずれにしても、肉体的衰えは大きいため、50代で肉体労働は厳しいと言えます。
【質問3】女性で肉体労働は辛い仕事ですか?
「女性で肉体労働は辛い仕事ですか?」
女性は肉体的にも、賃金的にも辛い仕事になると言えます。
実際、厚生労働省の「労働統計」で、産業別の男女の年収を調べてみると、
産業別|男女の年収比較 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
鉱業、採石業など | 357.9万円 | 276.9万円 |
建設業 | 350.9万円 | 251.0万円 |
製造業 | 326.3万円 | 229.3万円 |
運輸業、郵便業 | 293.1万円 | 240.3万円 |
上記結果の通り、約50万~100万円近く差があることがわかります。
従って、体力的にきつい上に、生活も厳しくなるリスクがあるため、あまりおすすめできません。
それより、非正規雇用でも、肉体労働以外の職場を選んだほうが、働きやすいと言えるでしょう。
関連記事:女性でインフラエンジニアに就職するのはやめとけ?5つの理由と向いている人の特徴
まとめ:肉体労働は何歳までできるかの結論と体壊す前に抜け出す方法
肉体労働は何歳までできるかの結論と体壊す前に抜け出す方法をまとめてきました。
結論からいうと、何歳まででも働けます。
定年を迎えるまでは、肉体労働の現場で働くことが可能です。
可能なんですが、「肉体的な限界」は定年を迎える前に訪れる可能性は高いです。
改めて、肉体労働で年取ったらきつい現実をまとめると、
- 長く働いても賃金が低いまま上がらない
- 年を取るにつれて再就職・転職は厳しくなる
- 過酷な労働で平均寿命が短くなる